016 「第2回ワークショップみんなで話そう調布のバリアフリー」を開催しました

〜ワークショップ及びアンケートのまとめ〜


1.概要

日時:2006年4月22日(土)14:00〜17:30
場所:調布市文化会館たづくり12階大会議場
主催:NPO法人調布まちづくりの会・まちのバリアフリー部会
協力:調布市
後援:調布市社会福祉協議会・調布市障害者(児)団体連合会
参加者数:50名

2.内容

総合司会の進行にしたがい、開会の挨拶の後、ワークショップの参考となるべく、NPO法人調布まちづくりの会・まちのバリアフリー部会による「まちのバリアフリー部会の活動報告と提言について」と調布市福祉総務課による「調布市福祉のまちづくり条例概要説明・福祉3計画一部改定について」、更に調布市都市整備部街づくり推進課による「調布市交通バリアフリー基本構想策定状況について」各プレゼンテーションをしました。休憩を挟んで、A〜Eの5グループに分かれてテーブルワークショップが始まりました。ワークショップの後は各グループの話し合いの結果について発表し、それぞれの結果について参加者によるフリートークがおこなわれました。


ワークショップ スタート 開会の挨拶 部会の活動報告と提言書プレゼンテーション
ワークショップ開始 開会の挨拶 まちのバリアフリー部会による活動報告と提言書プレゼンテーション
調布市福祉総務部による福祉のまちづくり条例のプレゼンテーション 調布市福祉総務部による福祉3計画一部改正のプレゼンテーション 調布市街づくり推進課による交通バリアフリー基本構想策定状況についてプレゼンテーション
調布市福祉総務課による福祉のまちづくり条例のプレゼンテーション 調布市福祉総務課による福祉3計画一部改正のプレゼンテーション 調布市街づくり推進課による交通バリアフリー基本構想策定状況のプレゼンテーション

3.テーブルワークショップの結果

【Aグループ】

Aグループ参加者
大木さん・井上さん・谷さん・森下さん・塩足さん・加藤さん・松本さん・東さん・新井さん(ファシリテーター)

話し合いの最初に、「車椅子利用者や高齢者の方などがいるにもかかわらず、我先に乗り込んでくる人が意外に多く、エレベーターを本当に必要としている人が優先的に利用できない現実があります。エレベーターが設置されているからバリアフリーが解決されたとは言えません。」という実体験の実例から始まりました。そこで「心のバリアフリー」をテーマに進めることにしました。

更に、このような実例から「心のバリアフリー」を考える際に、、障がいのある人や高齢者などの日常的な実情をまず「知る」ことが第一であり、次に「気づく」こと、更にある人が街で困っている場面や自らが利用する際に使いにくく困ることなどに「出会う」ことを体験して理解を深めることが大切であることから、「知る」「気づく」「出会う」をキーワードとして掲げて話し合いました。

例えば、バス利用の際に車椅子利用者が当たり前に乗ることができるためにはどうしたらいいか、どのようなお手伝いができるかについて話し合いました。あまり知識のない人が下手に手助けをしたりして事故を起こしてしまったり、そのことで責任が発生したりということを考え、手助けをすることを躊躇してしまうこともあります。そこでバスの運転手や介助者など専門家に任せておくことになり、関わらないほうがいいということになりがちです。しかし、自分でももしかしたら関われることがあるかもしれないと思うことが大事で、「私に何かお手伝いすることがありますか?」と話しかける勇気をもつことが大切だという意見がありました。また一方、周りの人が手助けをするからノンステップバスでなくてもいいということにはなりません。ハードのバリアフリーがなされていなくても心のバリアフリーさえあればいいのではないかと理解されていたとしたら、これは課題解決にはならないという意見がありました。

また、ハードバリアについて、この会場の建物にも各階に車椅子トイレがありますが、実際に利用してみると、障がいの状態の違いで便座への移動が固定式バーにより困難であったり、人工肛門の方そして障がいや高齢によりおむつを利用している方のための設備がなかったり、オートドアでないために一人で車椅子で出入りするのが困難で、トイレに入るのに人の手助けを必要とする心理的な負担があるなど、施設づくりのあり方についても関心をもってもらいたという意見がありました。

■ 様々な意見

「全般」
・心のバリアフリーと簡単にいうけれど、それが難しいから問題があるのだ〜。行政やそれに気付いた人は、それなりの対策、つまり対処療法?のようなものも必要なのかな?
・心のバリアフリーとは言いますが、具体的には難しそう。
・心のバリアフリーはまちの文化度を示すのでは。
・BF(バリアフリー)は街の標準装備にしたい。(特別なことでなく)
・施設整備は多少遅れても、心のバリアフリーは早めに高めたい。
・入院等でさらに実感。
・ハード面のバリアフリーは大前提だけど・・・。
・障がい者と接することに慣れていない。
・行政の人 「生の意見を聞くのが大事と実感」。常にその気持を大事にして欲しい。そしてその努力を続けて欲しい。
・交通バリアフリー基本構想ができたあと実際に事業化されるときにも市民参画ができるようにしたい。

「知る」
・障がい者じゃなくて「健常者」が知っていれば(理解していれば)(バスの乗り降りなど)
・図書館のハンディキャップサービス(宅配)など知らない人も多いが充実している。
・市民部会(交通BF) おしえられることの宝庫。男女トイレ左右、請願者・正眼者、点字案内の角度等。
・たづくりの車椅子マークのついたエレベーターはどうしてできたか?
・車椅子対応のバスが増えているのに知らないのではないか。

「気づく」
・新たな発見「表やグラフは点訳できない。」よく考えれば当然なのに、今まで気付きませんでした。
・気づいたことを気づいた人が声を出して伝えていく。
・エレベーター ほかの元気いっぱいの子どもたちなどが集まってしまい車椅子の人が乗れない。
・連絡先にFAXが入っていなかった。
・「たづくり」のトイレ(車イスで使える)の設備がよくない。オストメイトがない・・・。
・トイレ(扉が手動、手すり、便器の位置など不便)→改善してほしい。
・階段は下りの方がこわい?エスカレーターも昇りしかないことが多い。

「出会う」
・子どもの頃から障がいをもつ人と接する機会が必要。 教育。
・車椅子の方 バス乗車 調布ではみたことがない。江戸川では2件確認済。
・まちで障がい者を見かけたらどうしたらいい→「何かできることがありますか?」本人の意思を確かめる。
Aグループのテーブルワーク Aグループのテーブルワーク Aグループのテーブルワーク
Aグループの発表 Aグループの発表 Aグループのワークシート
Aグループのテーブルワークと発表


【Bグループ】

Bグループ参加者
宮川さん・岩澤さん・堀江さん・伊東さん・戸井田さん・大河さん・藤山さん(ファシリテーター)

わかりやすいことから話し合いましょうということで、まずはハードのバリアフリーに関する意見から出し合いました。テーブルには視覚に障がいのある方、聴覚に障がいのある方、車椅子を利用されている方がいらっしゃいました。その方たちからの体験的なお話がとても参考になりました。

「車椅子利用者の場合、バス停留所の乗降スペースが狭く、バス寄付き部では段差があるため一旦車道に出てから迂回しなければならない。」、「歩道にある擦付けスロープのために車椅子が車道側に傾いてしまう。」、「歩車道段差がないエリアの不法駐車や無秩序な放置自転車のために通行が阻害される。」、「駅ホームの階段脇の通路が狭く危険。」、また、「車椅子トイレはだれでも利用できることが望ましい。」という意見の一方、「車椅子利用者の優先性が重視されるべき。」という意見もあり、「そもそも車椅子トイレの設置数が少ない。」という意見もありました。更に「大型店舗のレストランテナントのあるフロアでは現在は車椅子トイレが設置されてはいるものの開店当初はなく、当初から設備がなされるべき。」、「バリアフリーについて役所に相談したいと思ってもどこに行けばいいかわからない。」、「バリアフリーの課題をデータベース化して様々な相談に対応できる解決の手段として取り組むべき。」、「北欧の事例では公共トイレなどのスタイルが標準化していて外国人や様々な障がいのある人にもわかりやすくなっている。」、「障がいのある人たちが健常者に気付いてもらえるように話し合える、このようなワークショップの場やしくみがもっとあればいい。」という意見がありました。

例えば点字ブロックの設置の仕方でも人の動きとは無関係に長い直線と直角に曲がるポイントなど、無機的に施工されていることが多いのですが、これも利用者の意見を取り入れて施工されるべきです。Bテーブルで出た意見の多くは、施設を計画し建設する段階から利用者を交えて進めていくことが重要であることが話し合われました。

■ 様々な意見

[バス・バス乗場]
・調布のバス乗り場からバスに乗るには段差がとてもある。
・バスから降ろされる場所によって危ない。(視覚障がいがある場合)
・ツーステップバスは乗るのがたいへん。はやくなくなって欲しい。

[自転車や車のマナー]
・駅前の自転車が沢山あり歩きにくい、不法駐輪の撤去をしてほしい。
・車椅子利用者にとっては危険(自動車、自転車)に一番気を使います。安全であることが大事です。

[踏切]
・踏切に危険を感じる。人のかたまりで、車椅子で動けなくなりこわい思いをしている。
・介助者の車椅子を押す人の経験がないと踏み切りに挟まってしまいそうな経験がある。介助する人にもある程度の知識が必要。

[トイレ]
・飲食店のある所には必ず車椅子トイレ設置を!
・「あくろす」のトイレは入口が小さい。もっと大きければ小さな車椅子の人も利用できる。
・だれでもトイレが一番利用したい人が使いたいとき使えなかったという声を聞き、一工夫必要だと思いました。
・トイレについて、内部障碍(特にオストメイト)の人が増えてきている。障がい者用トイレの増設を!人目につく所に設置してほしい。
・車椅子対応トイレ、いろいろなトイレがあると良い。(アピール力がある。)
・新しい施設をつくる時は必ずトイレに配慮して!トイレの操作がいろいろで使いにくい。統一を!

[駅の階段・ホーム]
・駅のホームの階段のある所はとても狭く、歩いてすれ違うのもこわいから、車椅子ならもっと危険なのではないか。
・駅の階段、人が多過ぎて動けないことがある。充分な広さが必要。

[点字ブロック]
・点字ブロックの貼り方を歩きやすい自然な経路で。
・(災害時などに)音声で逃げる方向がわかるといい。
・(駅ホームは点字ブロックがあっても)ホームが狭く危険。
・たづくりの点字ブロックは丈夫そうだが、足には痛い素材。一工夫できないか。

[歩道]
・歩道にななめの切り下げなどがあって困っています。
・歩道の巾が狭いところ。すれちがう時に車道におりて危なかった。
・歩道に段差がないと車との関係が難しい。(路上駐車・すれちがい)
・電柱、電線の地中埋設を進めて欲しい。(地震時危ない)
・仙川の湯けむりの里までの道が歩道がない上に車がすれちがうので安心して歩けない。
[その他]
・室内の表示。(音だけではわからない)緊急時の対応。
・行事などのある時、あらかじめ手話があります等書いてあると参加しやすい。
■ 課題解決の方法
[記録する]
・建設部門で日頃感じたり要望のあったバリアフリーの意見等を蓄積して、様々な部門へ情報提供していくと役立つのではないか。
・一つの建物を造った時の経験を残して記録していく仕組み。
[標準化する]
・情報のバリアフリー。外国人の方にも伝わる工夫が必要。
・北欧では公共施設のトイレの使い方は全て共通している。標準的な使い勝手を公共施設やデパートなどは一致しているほうが良いのでは。
[話し合う場やしくみ]
・色んな意見を話し合って理解や調整ができる場が必要。
・岩手県では障がい者の方が公共施設を設置する時、アドバイザーとして登録してあり、様々な点で当事者の意見が活かされている。
・公共施設等を建設する時、あらかじめバリアフリーの専門家が行政にいて相談、提案などに応えていくようなしくみがあっても良いのでは?
■ フリートーク
「標準化するという意味をもう少しお話いただけませんか」
「例えばトイレは新しい技術の進歩により便利な衛生設備が施されていますが、使う側にとってその操作に迷ったり分からなかったりして、必ずしも使いやすい設備ではありません。そこで、最低限のだれでもわかりやすい操作方法が認識可能な標準化が必要なのではないかということです。」
Bグループのテーブルワーク Bグループのテーブルワーク Bグループのテーブルワーク
Bグループの発表 Bグループの発表 Bグループのワークシート
Bグループのテーブルワークと発表


【Cグループ】

Cグループ参加者
小山さん・江刺さん・服部さん・長山さん・池谷さん・徳井さん・小林さん・大塚さん(ファシリテーター)

「計画段階から当事者の参加が必要。」「道路などに於いて利用者に危険なポイントの情報が分かりやすい標識やマップが必要。」「タイムリーな情報を得られ、利用者からも書き込みができるようなホームページを活用。」といった多岐に渡っての意見や話し合いを通して双方向での情報交換が大切であるとの認識が参加者の中で一致し、「情報交換の場をつくろう!成功例も知りたい。苦情もOK」ということメッセージを掲げました。


■ ポイント

「情報交換の場をつくろう!成功例も知りたい。苦情もOK」
1.計画が固まる前に当事者が参加する。
2.危ない場所がわかるようなマップをつくる。
3.ホームページ等の活用。


■ 様々な意見
・歩道の材質、インターロッキングはだめ。
・危ない道にはサインを付ける。(すぐには工事できないなら→出来ることからやる。車椅子危険マップ。
・話し合いの場を設ける。当事者でないとわからない。
・国領イトーヨーカ堂やあくろすなど、最近は早めに意見を機会が増えてきているが、当事者が参加するタイミングが遅い。
・行政と市民の距離感。
・飛田給の大歩道橋、手すりはあるけれどスロープがあるので使えない。→決まったことを変更するのは難しい。
・ラーメン屋さんにしても障がい者が実際に来ないとわからない。→個人のクリニックはひどい。
・マンションの階段に手すりが無かった。高齢者に言われて初めて気付いた。→色々な事例を紹介。情報の共有。
・バス乗り場のポール、拡げてもらった。小田急バスの乗車拒否。
・マンホールのわずかな段差で転んだ。誰にでも起こる。
・市役所の通り、歩道が狭い。健常者でも無理。管理者がバラバラ。
・放置されたオートバイ。連絡してもたらいまわし。
・電柱が災害時に倒れるのでは。避難道路。
・道路、出来ることから、まず市民の生活道路のバリアフリーをやってほしい。段差の平坦化。マンホール、水道栓の凸部を平らに。
・道路のマンホールにつまづいて転んだ経験あり。
・調布駅から福祉センターへ行く道のでこぼこでお年寄りがよく転ぶ。でこぼこの道をなくしたい。
・ヘルパーとして参加。バスの乗車拒否。災害時の問題は?
・国領に来て一年になります。日々、町に出ていると色んな事を感じます。(電動車椅子使用者)

■ フリートーク

「行政が当事者の意見を取り入れる際に、その当事者にコンタクトを取るにはどうしたらいいでしょうか。例えば当事者バンクとか?」
「まちのバリアフリー部会のようなNPOが当事者ネットワークのようなものをつくっていくのも方法だと思います。」
「日常的に市民やNPOと行政の距離感をなくし、常に情報交換が可能な環境をつくっておくことが大切だと思います。」
「当事者というのは、障がい者だけではなく市民全員が当事者です。また、様々な体験をもった人が当事者として情報交換できる場をつくる必要があると思います。公共施設だけでなく民間建物にもその情報が活かされることも大切だと思います。
Cグループのテーブルワーク Cグループのテーブルワーク Cグループのワークシート
Cグループの発表 Cグループの発表
Cグループのテーブルワークと発表


【Dグループ】

Dグループ参加者
菅谷さん・藤山さん・長岡さん・大河さん・岩井さん・上條さん・川添さん・大久保さん(ファシリテーター)

進め方として、話し合いということに重点を置きました。特にテーマを絞るということではなく、分かりやすい体験からでてくる気付きの話を展開させました。

まず、「エスカレーターにおいて昇り専用のものが多いけれど、実は足腰の弱いひとにとっては、降りエレベーターの必要性が理解されていない。」「右側歩行している二人並行用のエレベーターが多いが、左腕が弱い人にとって都合が悪く、せめて左側歩にしてもらいたい。むしろどちらの手でも手すりベルトを掴める一人用のエレベーターが必要。」といった意見、「だれでもトイレは文字どおりだれでも利用できる反面、どうしてもこのトイレでなければならない人が利用できない現象もでている。この、だれでもトイレというネーミングを改めたほうがよいのでは。」「そもそもトイレ自体のスペースが狭いのではないか。トイレは概して建物の設計上の優先順位が低いため、これだけあればよいといった既成概念でつくられることが多い。逆転の発想でもう少し拡げることで割りと解決できることがあるのでは。またそのような発想を共有できるしくみも大切。」「歩道の段差の問題がなかなか解決できていない。」「バス会社によって利用者に対する気遣いや対応が違う。民間会社の社員教育など意識の向上を図る必要がある。」「商店街の歩道がタイルなどできれいに舗装されているところがあるものの、狭いこと、車道との擦り付けのこと、不法駐車などの問題は解決されていない。」などの意見が出ました。


■ 様々な意見

[エスカレーター実は下りが必要]
・高齢者は障がい者とおなじで、転んだらお終い。
・追い越す人は左側に。利き手」をベルトにおける右側レーンには止まっている人用に。
・むしろ一人用のエスカレーターがいい。
・エスカレーター、下りが大切。足が弱い人は下りこそ大変なのです。

[バパス・意識が低い]
・バス会社によってドライバーのマナーが悪い。
・某バス会社から「車椅子利用は事前に連絡するようにっ!!」と言われた。これってバリアそのもの。
・バス会社の社員教育の問題。

[歩道の段差]
・旧甲州街道の歩道の歩きにくいこと。傾斜部分と電柱の立ち方、標識の乱立など、更にそこに自転車が通る。危険だ。
・歩道の段差!!旧甲州街道ぐらい何故段差ゼロにできないか。
・旧甲州街道の歩道段差が改良に取り組まないとお客さんが来ない。
・電柱の埋設化何故進まないのか。費用負担、税制度いろいろある。

[だれでもトイレ、ネーミングが問題]
・トイレの必要スペースの概念を変える。
・使いたい時に先に使われてしまう。ネーミングとのギャップ。

■ フリートーク

「トイレのスペースについての意見がありましたが、なるほどと思いました。例えば調布は建築床面積にトイレの部分は算入しないといったトイレ特区という考えがあってもいいのではないでしょうか。そのことで随分トイレの問題が解決できると思います。」
「いいですね。トイレ特区というネーミングがいいですね。やる気がでます。」
「問題解決のための特区という考えは良いと思います。」
「トイレに決めてしまうのではなく、何を特区とするかもう少し話し合って決めるべきだと思います。」
「トイレは必要なもの。現行法の範囲であっても使いやすいトイレにしていかなければならないと思います。特区にしてしまうのは如何かと思います。」
「私は車椅子利用者ですが、この会場にくる際に、あるバス会社が運行するノンステップバスに乗車拒否をされました。」
Dグループのテーブルワーク Dグループのテーブルワーク Dグループのテーブルワーク
Dグループの発表 Dグループの発表 Dグループのワークシート
Dグループのテーブルワークと発表


【Eグループ】

Eグループ参加者
成瀬さん・武藤さん・木下さん・愛沢さん・浅利さん・宇津木さん・時津さん・岩本さん・鉄矢さん(ファシリテーター)

ハード面からスタートしてソフト面からのことを通して、最終的にノーマライゼーションを実現するためにはどうしたら良いのか、勿論、結論がでることはありませんがその方向で話し合いました。

まず、ハード面ではトイレの広さと使い勝手と多機能トイレの位置づけについて話し合いました。課題としては、障がいの種類や程度に合った色んなパターンがあったほうがよいという意見と、視覚に障害のある方からは均一な形式であまり広すぎても困るという意見がありました。つまり、一つの答えがあるわけではないことがわかりました。他に駅舎のことなどいろいろな意見が出ました。

結論的には3つのことにまとめました。ひとつめは、心のバリアフリーということが言われていますが実際どうやって実現したらいいのかについて話し合い、当たり前レベルのハード整備なしにソフトは実現しないということです。つまりハードが当たり前に整備されると誰でも自立した生活が可能になって、障がいのある人とそうでない人との交流が促進されます。そのことで教育の場でなく、実生活でこそ心のバリアフリーが育まれるということです。ふたつめは、「たづくり」や「あくろす」の話題がでていますが、整備をした後の問題点が挙げられます。建物でも道路でも計画段階からの当事者の意見を聞きながら進めるべきであるということです。つまり当事者との協議により納得というか合意形成が図られ、お互いに有益なまちづくりが実現するということです。最後に、立場や年代の違いを超えてこのワークショップのような場で話し合うことが重要であることが挙げられました。従いまして、まちのバリアフリー部会のようなNPOの役割を再認識しエールを送りたいと思います。


■ ポイント

1.当たり前のレベルのハード整備が必要
2.これから進めるものには計画段階から当事者によく聞け
3.良い会だ、もっと続けてほしい


■ 様々な意見

・困難な道路があり。マンホールフタの上で危険あり。雨天の場合。
・子育てと農業。誰もが気軽に助けたり助けられたりできる町がいい。
・大学で建築の研究をしています。駅舎、特に改札システムに興味有ります。バリアフリーには素人。
・視覚障がい者です。ハイブリットカーがこわいなーと思っています。
・本当にみんなが使いやすいものにするにはどうすれば?
・子どもが肢体、知的とも障がい。車椅子で介助していて気になることなどお話したい。
・生涯学習をすすめるうえで何が必要なのか知りたい。
・今日はみなさんの生の声がきけることを楽しみにしています。
・染地に住んでいます。放置自転車問題。パチンコ店が増大していることに危惧しています。
(以上、自己紹介と関心があることなどの意見です。)
・トイレの問題で、(車椅子利用者だけでなく)認知障がいの高齢者の場合も同じで、オムツを替える場所でもある。使いやすいトイレ、いろいろなニーズ。
・1歳半の子ども、オムツを替えるトイレがない。マクドナルドはあった。
・トイレを先に整備できないか?
・トイレのこと、多種多様なバリア、障がい者、高齢者関係ない。人間ならバリアは取り除けない。バリアを楽しく、取り除くのではなくポジティブに。介助(男or女)いろいろ不自由なことも、めんどうくさいことも、不便なところを理解。
・歩道の緑化スペース⇔スペース(すれちがい)  環境 工夫が必要でしょう。
・誰もがやってもらったり、やってあげたり。助けてもらったり、助けたり。当たり前の社会に。
・段差0センチ、1センチ、2センチ、命にかかわることが落としどころ。
・市役所のスロープ、屋根がつながっていない。なぜ?
・押しボタン、音で誘導。
・ホームの点字ブロックについて、警告ライン、エスコートライン。
・当たり前(が大事)、周りも本人も気をつかう。
・建築→ハード・・・たくさん出てくることが、ソフトがついてくる。
・バリアフリー建築、駅舎、改札が不便にしている。どこからでも入れるといい。
・平成13年の社会教育策定委員会、人の目線でものを見る。第1回参加者。道路・・・少しずつ変わってきている。改善は少々であるが感じる。
・どっちが先ではない。障がいの違いで求めるものの違いがある。「出会い→目線」をつくる。
・障がいの種類によってニーズがこれほど違うのか。ひとつの基準ではマチガイ。実感中。段差、音量、気づかなかった自分。
・心のバリアフリー、すべての人が使いやすいように。健常者が使いやすい。誰でも・・・本当に使いたい人が使えない状況。歩道に自転車。
・建物が建ってからではむり。計画段階から。税金のむだにならないように。
・自転車で通っている。歩道が狭い。乗ったり降りたり。踏切の段差、動きやすい道、街、活かしていきたい。
・第1回も出た。交通バリアの市民部会、親の会。道路の段差、駐車場の入口斜めになっている。平らになれるか?
・紙おむつ・・・トイレの関係、行動の限界。公共、駅、3時間が限界。
・たづくりで消失した大きなおむつ台。


■ フリートーク

「補足ですが、当事者の意見が反映されていないハード整備では、やはり税金の無駄遣いだったのではという意見は言っておいたほうがいいと思って発言しておきます。」
「バスの問題ですが、車椅子マークがついているバスにもかかわらず乗車拒否されたというお話が先ほどありましたが、実際に乗車拒否ができるのでしょうか。きちんと会社に報告したほうがいいと思います。そうしなければ改善されないと思います。」
「交通バリアフリー基本構想策定委員会にもそのバス会社の関係者がメンバーに入っています。実はこの問題が起きていて、きちんと社員教育のことを含め話した直後ですので、今日のこの話はとてもショックです。改めてしっかりと伝えたいと思います。」
「川崎の麻生区に住んでいましたが、そのときもバスの運転手のマナーが悪く、バス会社にクレームをつけたら、多少は改善されました。」
「調布の生活道路は汚い。バリアフリーを語る前に自分の前の道路をきれいにすることからはじまるのではないでしょうか。」
「生活道路の段差や凹凸の解消が急務です。道路管理者が国、都、市と様々ですがきちんと連携をとって対応するべきです。予算がつくまで待つというのでなく、やれることからやることが大切です。」
Eグループのテーブルワーク Eグループのテーブルワーク Eグループのテーブルワーク
Eグループの発表 Eグループの発表 Eグループのワークシート
Eグループのテーブルワークと発表


4.アンケートの回答

■今回のワークショップはどちらでお知りになりましたか?番号に○をお願いします。

・ポスター・チラシ・・・・2
・案内をもらったから・・・1
・その他
「調布まちづくりの会から」
「ホームページで詳細を閲覧しました。」

■下記のプレゼンテーションについて自由にご意見、ご感想をお願いします。

・まちのバリアフリー部会の活動と提言書について

「実現へ向けての指針はあるのですか?」
「パワーポイントをつかっての説明はとてもわかりやすかった。大変な労作であり敬服しました。私も1回だけ駅ウォッチングに参加しました。」
「よくまとめてあります。活動もよくやっていると思います。」
「大変詳細に検討された内容で之を一つ宛実現出来ることで町が住み良くなることと思います。唯 実施、国、都側との調整に相当力を注ぐ要があるので、担当の方々の努力工夫を」

・調布市福祉のまちづくり条例概要説明・福祉3計画一部改正について

「わかりにくい資料で、話との連動がつけにくかった。」
「パワーポイントもレジュメもなしの説明だったので、非常にわかりにくかった。市民への説明としては不親切である。行政の方にはもっとわかりやすい説明をするよう努力、準備もお願いしたかったとお伝えください。」
「ハード面での整備は逐年実現すると思うが、先ず実施の結果が見える迄に時間がかかるので、道路について先ず目に見える歩道の平面化等、道路の平坦化、歩道の改善をやって欲しい。」

・調布市交通バリアフリー基本構想策定状況について

「資料といい、良かったように思います。」

■ワークショップに参加されていかがだったでしょうか?自由にご意見、ご感想をお願いします。

「時間は短いのか適当なのかよくわかりませんが、どのように今後につなげていくのか?よろしくお願いします。」
「とても良い話し合いができていたと思います。ありがとうございました。提言書をまとめられたことはすばらしいと思います。こんどは絵本をつくられるとのこと、期待しています。」
「第2回目のワークショップのテーマが具体的で意見交換が活発。バスの問題、道路の問題もっと住民と交通事業会社と行政の懇談会を設けて。」

〜以上ワークショップのまとめ〜






015 調布市役所で提言書のプレゼンテーションをしました。(2005.12.29 記事:沖崎 剛)
まちのバリアフリー部会で、約3年間の定例部会、フィールドワーク、ワークショップ開催などの活動を通して、内外から頂いた意見や様々な課題を検討し、行政への働きかけと市民への啓発を目的に提言書を10月に策定しました。

 そこで、10月26日に市の政策室に提言書を提出し、その後11月30日に、当部会からは8名が参加し、調布市役所職員約30名と市長に対して提言のプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーション終了後、職員との意見交換をし、市長へ直接、提言書を手渡しました。市長からは、「調布市交通バリアフリー法基本構想検討委員会がおこなわれている中、丁度時宜にかなった貴重な提言を頂きました。この提言内容の全て実現可能かは精読させていただきますので、皆様には柔軟なご理解をいただきたいと存じますが、私としましては、ご主旨を汲み取った上で施策に反映していくよう努力したいと思います。」との言葉がありました。

提言書pdf.ファイルはここからダウンロードしてください
提言プレゼンテーション 提言プレゼンテーション
提言プレゼンテーション 提言プレゼンテーション
提言プレゼンテーション 提言プレゼンテーション



014 調布市の保養施設代替施策へのパブリック・コメント(2005.09.09 記事:新井昭子)
 市の保養施設が廃止されることをご存知でしょうか?
 調布市の「行財政アクションブラン」の中で廃止することになっている「多賀荘」と「木島平荘」。現在調布市では保養施設を廃止する代わりの「代替施策」を検討しています。
「保養事業代換施策案」は「いやしとふれあいの旅事業」という名前で、調布市と静岡県の河津温泉旅館組合とが事業協力協定を結び、調布市民が河津温泉の宿泊施設を利用するときには優待を受けることができるというものです。
内容は
 1.@宿泊施設の紹介、A料金の割引、B調布市市民限定の宿泊プラン、などの市民優待。
 2.高齢者や障がい者、生活保護を受けている人など、現行の保養施設の利用料金減額対象者への宿泊費の助成。
 などです。
 8月5日(金)から8月26日(金)にかけてパブリック・コメント(施策などの立案にあたってその案を公表し、市民から意見を募って最終的な意思決定を行う手続き)が募集され、以下のコメントを市民参加推進室に送りました。
 市民から提出された意見については、市の考え方(意見を採り入れて案を修正、採り入れない場合の理由など)といっしょに公表されるとのことです。

以下が送ったコメントです。

市民参加推進室コミュニティ係

『保養事業代替施策案』に対する意見 御中

 私は電動車いすを使用しています。
 市で行われる保養事業は「市民のだれもが気軽に、そして同じように利用できる」ということが基本だと思いますが、私のように電動車いすを使用していると、なかなか利用することが難しいというのが現実です。
 それでも現在ある多賀荘には、車いすでも利用できる部屋が一部屋だけあり、私も何度か利用させていただきました。リーズナブルな料金でのんびり過ごすことができましたが、その部屋のお風呂は家庭用のバスタブのため、せっかくの温泉になので介助を受けながらでも大浴場に入れたらと思い、30分だけでも「貸切り」にしていただけないかということや、熱海駅からの送迎バスを車いす対応にしていただきたいといった要望をしましたが、いずれもかなわないままです。
 今回保養施設を廃止し、新たに河津温泉の旅館組合と協力協定を結ぶとの代替案ですが、各宿泊施設が車いすでも利用できるのかどうかということがとても気になります。調布市民が優待され助成が受けられるとしても、その施設がハード面で利用できないとすれば「絵に描いた餅」になってしまいます。まず代替施策の実施にあたってはすべての人たちが利用しやすいよう、各宿泊施設について以下のような情報の提供をしていただく必要があります。

1.各宿泊施設が車いすなどでも利用可能なのかどうか
@ 施設の出入口、出入り口から客室までの階段や段差の有無
A 車いす使用者に対応した客室の有無
B 車いすでも利用できるトイレの有無
C 入浴施設は車いすでも利用可能なのかどうか(貸切風呂の有無)
D 最寄り駅からの車いすでのアクセスは? 送迎は車いすでもOKか?
2.身体障害者介助犬(盲導犬・介助犬・聴導犬など)の受け入れの可否
3.食事のリクエストは可能か(病気や障がいのため内容や食材の大きさなどに制限がある利用者への対応)

 高齢社会を迎え、障がいをもっている人が安心して利用できる宿泊施設は社会的なニーズでもあり、調布市民にとっても益々なくてはならないものになります。市の保養事業として高齢者や障がいをもった人たちなどに宿泊費の助成をするということであれば、そうした人たちにとって本当に利用しやすい宿泊施設になるよう、施設面での改善も含め市として旅館組合や各宿泊施設へ働きかけをすることも必要なのではないでしょうか。
 よろしくお願い申し上げます。

  新井 昭子






013 西部公民館改修工事についての要望書と回答(2005.07.05 記事:新井昭子・東 直史)

西部公民館の改修工事が2004年度に行われることが決まり、利用者に向けた懇談会が2003年7月17日(水)と9月6日(土)に開かれました。

私は西部公民館の施設が充実するということで、車いすを利用している立場から、また、視覚障がいのある人の意見もと思い愛沢さんに声をかけ、営繕課の方と一生懸命改修工事の話し合いをしました。何度か個別に時間をとっていただき「多目的トイレ」や「出入り口のスロープ」「点字誘導ブロック」などについての要望を伝え、営繕課のみなさんは私たちの声をしっかりと受け止めてくださり、設計事務所の方も交えて何度も実際の現場に立ち会いながら、可能な限り設計に反映できるよう検討してくださいました。

その改修工事が3箇所・わかりにくかった西部公民館の正門入口とその周辺の補修(門扉・掲示板・看板・外灯)、第1学習室の床張替え補修(第1・第2学習室の遮光カーテンの取替え)、裏門の塗り替えとフェンスの張替え補修を除き、工事が見送られることになったと聞き、どうしてなんだろうと思い、市長と担当部署である教育長宛に文書で尋ね回答をいただきましたので、ご報告させていただきます。

どうしてなんだろうと思ったのは、新規で他の施設が建築されるという予定を聞き、そこで何億という財源を使うというのに、だったら市民にとって身近な公民館の改修工事の方が優先されるのではないかと思ったからです。

一度目の回答ではよくわからなかったので、再度、具体的な内容を書き尋ねました。再回答をいただき、一部要望を聞き入れていただけたことになりましたが、一歩前進と受け止めればいいのか、こんなものなのか、これでいいのか、などと、すっきりしない気持ちでもあります。

以下は第1回目及び第2回目の調布市長・調布市教育長へのそれぞれの要望書と回答です。


■第1回目 調布市長への要望書
調布市長 長友 貴樹 様

西部公民館の改修工事についてうかがいます。

公民館は市民にとって学習や様々な活動をするための身近な公共の場です。講演会やコンサートなど様々なイベントが行われています。市報などでそうした事業の内容を見つけると「行ってみたいなあ」と思います。でも、障がいをもっている私たち、特に車いすの私は、その日のお天気や会場までのアクセス、イベントが行われる場所はバリアフリーなのか、トイレは車いすでも使えるのか、といったことなどが心配になってしまい、参加するのをためらってしまうことがほとんどです。

飛田給に住んでいる私にとって一番近くにある西部公民館の改修工事が2004年度に行われることが決まり、利用者に向けた懇談会が2003年7月17日(水)と9月6日(土)に開かれました。私はやっと西部公民館の施設が充実するということで、車いすを利用している立場から、また、視覚障がいのある知人の意見も聞きながら、個別に何度か時間をとっていただき「多目的トイレ」や「出入り口のスロープ」「点字誘導ブロック」などについての要望を伝え、営繕課の方と一生懸命改修工事の話し合いをしました。工事を担当する営繕課のみなさんは私たちの声をしっかりと受け止めてくださり、設計事務所の方も交えて何度も実際の現場に立ち会いながら、可能な限り設計に反映できるよう検討してくださいました。

それはまさに調布市が取り組もうとしている「市民と行政の協働」が具体的なかたちとして現れたものだったと思います。

現状をいくつかあげると、車いすトイレは使い勝手が悪く、手を洗うこともままなりません。様々な障がいや体の状態の方々が利用できるようなトイレがないため、それらの方々は公民館を利用できなかったり不便を余儀なくされていることと思います。また、それぞれの部屋に入るために段差があるところでは車いすの人が利用する度にスロープを設置しなければならず、そのような大げさに感じられる対応には講座などへの参加がわずらわしくなってしまいます。障がいをもっている私たちばかりでなく、改修工事の懇談会へ参加し話し合った方々や多くの市民のみなさまも、身近な公民館が使いやすくなる改修工事は待ち望んでいることと思うのです。

 改修工事によってそれらの問題点もかなり改善されるということで、とても喜んでいました。私ばかりでなく、例えば、「改修工事によって段差がなくなりました、多目的トイレにはオムツ交換のベッドやオストメイトの機能も設置されました」ということを市報に掲載することによって、今まで参加してみたいと思ってもなかなかできなかった方でも、講座などへも参加しやすくなるのではないかと思います。どんな風に変わるのか、改修工事が終わるのを楽しみに待っていたのです。

ところが、突然の工事中止。公民館の方に伺うと、早急に工事が必要な入り口の案内表示以外は当面改修はしないとのこと。

「財政的な理由」ということですが、一方で市は何億円もかけて新たな施設をつくろうとしています。「市民にとって本当に必要なものは何なのか」もう一度考え直していただけないでしょうか。今ある施設を、もっと有効に使いやすくすることの方が優先される必要があるのではないかと思います。それも公民館という多くの市民が有意義に利用・活動できる施設です。ましてや私たち市民と行政の担当の方々と共に考えて作った改修のプランが、そのまま反故にされてしまうといことにはどうしても納得ができません。

市として、そして市長としてどのようなお考えのもとでこのような決定をされたのか、納得のできるお返事をお願いいたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2005.4.14(木)

新井 昭子

■第1回目 調布市長からの回答
平成17年4月28日
新井 昭子 様
調布市調布市長 長 友 貴 樹

西部公民館の改修工事について

平素より調布市政に対しまして,ご理解・ご協力をいただき,まことにありがとうございます。
新井様から西部公民館の改修工事に係るご質問をいただきましたので,お答えいたします。

西部公民館改修計画につきましては,基本計画に基づいて平成15年度から平成18年度までの4か年の実施計画の中で,1階については,児童館・学童クラブの施設整備,2階については公民館の整備として位置付けられた事業でありました。その事業予定は平成15年度改修工事設計,平成16年度改修工事としておりましたので,平成15年度におきまして施設設計に関し,児童館・公民館の利用者,周辺の市民等多くの皆様のご協力をいただき設計は終了しました。ところが,平成16年度の予算編成時期に合わせ,前述の実施計画を全体的に見直さない限り市の財政が成り立たないとのことで,大幅な実施計画の見直しを断行しました。したがって,16年度以降に予定されている公共施設工事を見直し,新たに策定した行財政改革アクションプランにおける公共施設再配置計画での検討に委ねることになり,今年度は,お忙しい時間と労力をかけて設計に携わっていただいた市民の皆様のご期待に沿えぬ結果になりました。

今後,公共施設再配置計画の検討の中で皆様のご意見を反映させ,できるだけ早期に市民の使いやすい公共施設としての公民館の実現に努力して参りますのでご理解の程よろしくお願いいたします


■第1回目 調布市教育長への要望書
(記述内容は市長宛に準じています。)


調布市教育長 榎本 和男 様
 西部公民館の改修工事についてうかがいます。
公民館は市民にとって学習や様々な活動をするための身近な公共の場です。講演会やコンサートなど様々なイベントが行われています。市報などでそうした事業の内容を見つけると「行ってみたいなあ」と思います。でも、障がいをもっている私たち、特に車いすの私は、その日のお天気や会場までのアクセス、イベントが行われる場所はバリアフリーなのか、トイレは車いすでも使えるのか、といったことなどが心配になってしまい、参加するのをためらってしまうことがほとんどです。

飛田給に住んでいる私にとって一番近くにある西部公民館の改修工事が2004年度に行われることが決まり、利用者に向けた懇談会が2003年7月17日(水)と9月6日(土)に開かれました。私はやっと西部公民館の施設が充実するということで、車いすを利用している立場から、また、視覚障がいのある知人の意見も聞きながら、個別に何度か時間をとっていただき「多目的トイレ」や「出入り口のスロープ」「点字誘導ブロック」などについての要望を伝え、営繕課の方と一生懸命改修工事の話し合いをしました。工事を担当する営繕課のみなさんは私たちの声をしっかりと受け止めてくださり、設計事務所の方も交えて何度も実際の現場に立ち会いながら、可能な限り設計に反映できるよう検討してくださいました。

それはまさに調布市が取り組もうとしている「市民と行政の協働」が具体的なかたちとして現れたものだったと思います。

現状をいくつかあげると、車いすトイレは使い勝手が悪く、手を洗うこともままなりません。様々な障がいや体の状態の方々が利用できるようなトイレがないため、それらの方々は公民館を利用できなかったり不便を余儀なくされていることと思います。また、それぞれの部屋に入るために段差があるところでは車いすの人が利用する度にスロープを設置しなければならず、そのような大げさに感じられる対応には講座などへの参加がわずらわしくなってしまいます。障がいをもっている私たちばかりでなく、改修工事の懇談会へ参加し話し合った方々や多くの市民のみなさまも、身近な公民館が使いやすくなる改修工事は待ち望んでいることと思うのです。

 改修工事によってそれらの問題点もかなり改善されるということで、とても喜んでいました。私ばかりでなく、例えば、「改修工事によって段差がなくなりました、多目的トイレにはオムツ交換のベッドやオストメイトの機能も設置されました」ということを市報に掲載することによって、今まで参加してみたいと思ってもなかなかできなかった方でも、講座などへも参加しやすくなるのではないかと思います。どんな風に変わるのか、改修工事が終わるのを楽しみに待っていたのです。

ところが、突然の工事中止。公民館の方に伺うと、早急に工事が必要な入り口の案内表示以外は当面改修はしないとのこと。

「財政的な理由」ということですが、一方で市は何億円もかけて新たな施設をつくろうとしています。「市民にとって本当に必要なものは何なのか」もう一度考え直していただけないでしょうか。今ある施設を、もっと有効に使いやすくすることの方が優先される必要があるのではないかと思います。それも公民館という多くの市民が有意義に利用・活動できる施設です。ましてや私たち市民と行政の担当の方々と共に考えて作った改修のプランが、そのまま反故にされてしまうといことにはどうしても納得ができません。

どうしてこのようなことになったのか、市として、そして教育長としてのお考えをお聞かせください。納得できるお返事をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2005.4.14(木) 
新井 昭子

■第1回目 調布市教育長からの回答

平 成17年 4月26日
新井 昭子 様
調布市教育長 榎本 和男
西部公民館の改修工事について

平素より調布市教育行政にご理解・ご協力をいただき,まことにありがとうございます。新井様から西部公民館の改修工事に係るご質問をいただきましたので、お答えいたします。

西部公民館につきましては,平成15年に施設を建設してから20年を迎えることになるため,大規模改修に向けた設計委託を実施し,平成16年度に1階児童館と2階公民館を一体とした改修工事が予定されておりましたのは、ご案内のとおりであります。平成15年度において西部公民館・西部児童館の利用者,また,周辺住民等とのきめ細かな設計に関する打ち合わせ,懇談会等が行われ、具体的な設計図面も作成され,翌年平成16年度には新井さんのおっしゃる「市民と行政の協働」による施設改修が行われる予定でした。

ところが,平成14年度の実施計画では予算と実施計画との整合が図れないことから,平成15年度秋からの予算編成時期に合わせ行財政改革アクションプランの改訂及び実施計画の見直しという市の根幹をなす行財政改革が断行されました。行財政改革の一環として公共施設改修は,市内の公共施設全体での検討が必要となることから,西部公民館の全面改修は新たな行財政改革アクションプランの公共施設再配置計画策定の取組の中で検討することになりました。

教育委員会といたしましては,貴重な時間と労力を割いていただいた市民と協働で工事設計をしているので,平成16年度中に着手してほしい旨,再三市長部局と協議をしてきました。しかし,公民館・児童館の複合施設でもあり,前述の市の施策に組み込まざるを得ないということで,見送りとなりました。

平成16年度には全面改修は行えませんでしたが,築後20年余が経過をしておりますので,傷みが進んでいる箇所については部分的に改修が完了いたしました。今後とも少しでも皆様の利用しやすい施設となりますよう,また,設計に携わっていただいた方の意見を無駄にしないためにも,大規模改修が早期に実現できるよう努力してまいりますので,ご理解を賜りますようお願い申しあげます。

■第2回目 調布市長への要望書

調布市長 長友 貴樹 様

「西部公民館の改修工事について」のご回答ありがとうございます。

内容を拝見させていただきましたが、前回お便りさせていただいた中であげたいくつかの現状については、実際に確認していただけたのでしょうか? 現実問題として今すぐにでも改修が必要だということを理解していただきたく、現状がどのようになっていてどのように困っているのかをもう少し詳しくお伝えさせていただきます。

「車いすトイレは使い勝手が悪く、手を洗うこともままなりません」という部分ですが、洗面台が小さすぎて指先しか洗うことができません。また蛇口の水量調節が思うようにできないために水が飛び散ってしまって洗いにくいのです。そのために、床に水がたまっていることもあります。洗面台が小さい上に思うような水量の水が出にくい状態なので、手を洗うこともままならないということなのです。普通に両手を洗いたいですし、口をゆすぎたいこともあります。また、水浸しの上に足を置くのは気持ちの良いことではありませんし、すべってしまって危険でもあります。この手洗い場の現状一つでも、確認していただけたのでしょうか? 車いすで利用しようとするとどのような状態なのか、現場を確認していただきたいと思います。

また、改修プランには、多目的トイレの中にオムツ交換のためのベッドやオストメイト機能の設置が予定されていました。この機能がないことで西部公民館を利用したくてもできない方や不便を感じている市民のみなさんに対してはどのように考えていられるのでしょうか? これらの機能がないことで参加したいと思う講座などへ出かけられなかったり、それでも出かけようと思えば、例えば飲食の制限や、何か失敗はしていないかと多くの気遣いをしたりなどと計り知れない苦労をされている方がいます。「利用したくても利用できない」というのが現実なのではないでしょうか。

車いすの私も、今のように車いすで利用できるトイレが少なかった頃、外出するときはそうでした。例えば前日から食事に気を配り、夕食は早めにとって翌日出かけるまでに排泄があるように調節したり、当日は早朝から水分の摂取を最小限に控えたり、出先の予定を詳細に調べると共に、どこに行けば車いすで利用できるトイレがあるのかも調べ、いつトイレに行けるかを調べたりなどと、それでもいつも不安でいっぱいでした。今でもどこにでもあるというのではないので、初めての場所などのときは調べて出かけています。

もし、もし、出先にトイレのないのが普通だったら安心して出かけることができるでしょうか? トイレ一つをとってみても、障がいをもっている私たちやさまざまな体の状態の方は、不便や不安を強いられているのです。

このように安心して利用できるトイレがないということは、私たちだけではなく多くのみなさんにとっても切実な問題です。老朽化している部分については一部改修されたということですが、トイレについても早急な改修が必要だと思います。

「大規模改修が早期に実現できるように」とありますが、いつまで待てばいいのでしょうか。また、待っていれば実現されるのでしょうか。「行財政改革アクションプラン」の中での見直しということですが、それでは財政に余裕ができなければ実現されないということでしょうか。「財政難」ということも理解できます。でもそれならばなおさらのこと、市民にとって今何が必要なのか、何が優先される必要があるのかということをしっかりと見きわめた上での行政の運営が求められていると思います。

ぜひ現状を直接確かめていただき、その現状をどうとらえられるのか、また、今後具体的な改修のめどはあるのか、財政難の中でどのような基準で優先度をつけて施策を行っていられるのか、私一人の身勝手な意見ではないことをご理解いただき、もう一度お返事をいただければ幸いです。


 先に記述させていただきました車いすトイレの現状に対してと、改修プランにあった多目的トイレの設置がないことで「利用したくても利用できない」という状態の方がいらっしゃるという現実に対しての具体的なご回答と合わせ、お返事よろしくお願い申し上げます。

2005.5.21(土)
新井 昭子

■第2回目 調布市長からの回答
平成17年6月16日
新井昭子 様
調布市長 長 友 貴 樹
西部公民館改修工事について

梅雨の季節となりましたが,益々ご健勝のこととお慶び申しあげます。また,日頃から調布市政にご理解,ご協力をいただき厚く御礼申しあげます。

さて,西部公民館の改修工事に関するお便りを拝見いたしました。改修工事にあたり,誰でもが気持ちよく利用できる施設にするため,貴重なご提言をいただきありがとうございました。

西部公民館の改修工事は,西部児童館とともに,平成16年度に2億円を超える予算で大規模改修工事を実施する予定でおりましたが,「行財政改革アクションプラン」の中で,公共施設のあり方を検討することとし,改修工事を先送りいたしました。

しかし,西部公民館の老朽化が進む中で,利用者が安心・安全に利用していただけることを優先させるため,当面の改修工事として,2階トイレの改修工事を平成17年度に実施いたします。また,これ以外の工事については,市の公共施設のあり方をまとめていく中で,皆様からいただいたご提案を可能な限り反映できるよう検討いたしたいと思いますので,ご理解のほどよろしくお願いいたします。

■第2回目 調布市教育長への要望書
(記述内容は市長宛に準じています。)
調布市教育長 榎本 和男 様
「西部公民館の改修工事について」のご回答ありがとうございます。

内容を拝見させていただきましたが、前回お便りさせていただいた中であげたいくつかの現状については、実際に確認していただけたのでしょうか? 現実問題として今すぐにでも改修が必要だということを理解していただきたく、現状がどのようになっていてどのように困っているのかをもう少し詳しくお伝えさせていただきます。

「車いすトイレは使い勝手が悪く、手を洗うこともままなりません」という部分ですが、洗面台が小さすぎて指先しか洗うことができません。また蛇口の水量調節が思うようにできないために水が飛び散ってしまって洗いにくいのです。そのために、床に水がたまっていることもあります。洗面台が小さい上に思うような水量の水が出にくい状態なので、手を洗うこともままならないということなのです。普通に両手を洗いたいですし、口をゆすぎたいこともあります。また、水浸しの上に足を置くのは気持ちの良いことではありませんし、すべってしまって危険でもあります。この手洗い場の現状一つでも、確認していただけたのでしょうか? 車いすで利用しようとするとどのような状態なのか、現場を確認していただきたいと思います。

また、改修プランには、多目的トイレの中にオムツ交換のためのベッドやオストメイト機能の設置が予定されていました。この機能がないことで西部公民館を利用したくてもできない方や不便を感じている市民のみなさんに対してはどのように考えていられるのでしょうか? これらの機能がないことで参加したいと思う講座などへ出かけられなかったり、それでも出かけようと思えば、例えば飲食の制限や、何か失敗はしていないかと多くの気遣いをしたりなどと計り知れない苦労をされている方がいます。「利用したくても利用できない」というのが現実なのではないでしょうか。

車いすの私も、今のように車いすで利用できるトイレが少なかった頃、外出するときはそうでした。例えば前日から食事に気を配り、夕食は早めにとって翌日出かけるまでに排泄があるように調節したり、当日は早朝から水分の摂取を最小限に控えたり、出先の予定を詳細に調べると共に、どこに行けば車いすで利用できるトイレがあるのかも調べ、いつトイレに行けるかを調べたりなどと、それでもいつも不安でいっぱいでした。今でもどこにでもあるというのではないので、初めての場所などのときは調べて出かけています。

もし、もし、出先にトイレのないのが普通だったら安心して出かけることができるでしょうか? トイレ一つをとってみても、障がいをもっている私たちやさまざまな体の状態の方は、不便や不安を強いられているのです。

このように安心して利用できるトイレがないということは、私たちだけではなく多くのみなさんにとっても切実な問題です。老朽化している部分については一部改修されたということですが、トイレについても早急な改修が必要だと思います。

「大規模改修が早期に実現できるように」とありますが、いつまで待てばいいのでしょうか。また、待っていれば実現されるのでしょうか。「行財政改革アクションプラン」の中での見直しということですが、それでは財政に余裕ができなければ実現されないということでしょうか。「財政難」ということも理解できます。でもそれならばなおさらのこと、市民にとって今何が必要なのか、何が優先される必要があるのかということをしっかりと見きわめた上での行政の運営が求められていると思います。

 ぜひ現状を直接確かめていただき、その現状をどうとらえられるのか、また、今後具体的な改修のめどはあるのか、財政難の中でどのような基準で優先度をつけて施策を行っていられるのか、私一人の身勝手な意見ではないことをご理解いただき、もう一度お返事をいただければ幸いです。

 先に記述させていただきました車いすトイレの現状に対してと、改修プランにあった多目的トイレの設置がないことで「利用したくても利用できない」という状態の方がいらっしゃるという現実に対しての具体的なご回答と合わせ、お返事よろしくお願い申し上げます。

2005.5.21(土)
新井 昭子


■第2回目 調布市教育長からの回答
平成17年 6月8日
新井 昭子 様
調布市教育委員会教育長 榎 本 和 男
西部公民館の改修工事について(回答) 

日頃から調布市教育行政にご理解・ご協力いただき,まことにありがとうございます。西部公民館の改修工事につきまして,再度質問をいただきましたので教育委員会の立場からお答えいたします。


この施設の現状につきましては,2階の公民館部分にある車いすトイレの使い勝手の悪さ,洗面台の小ささ,蛇口の調節が困難なための水の飛散等,ご指摘のとおり懸案の一つとなっていたものであります。これらの改善にあたりましては,大規模改修予定の中においては,1階の児童館部分での「だれでもトイレ」の設置等で対応することで,2階の車いすトイレは現状の使用とする予定となっておりました。以上のことから,大規模改修の延期に伴い2階の公民館部分のトイレの改善が必要になったところですが,車いすの回転,便器の位置の変更等多額な費用を要する工事を除き,洗面台の変更工事を今年度の早い時期に実施する予定ですので,ご理解をいただきたいと思います。

市内にある公共施設は,学校を含めた教育施設だけでも54か所あります。そのすべてを公共施設再配置計画で見直していく予定であり,計画の策定は平成17年度中となっております。ただし,西部公民館・児童館の改修工事につきましては,設計も既に終了しており,また,複合施設として地域の需要が高まっていることから,早期の実施を今後とも求めて参りますのでご理解を賜りますようお願いいたします。




012 市役所の多目的トイレ内温水洗浄機能付便座設置についての要望書と回答(2005.03.12 記事:新井昭子・東 直史)
調布駅周辺の多目的トイレに「温水洗浄機能」がないので、市役所の多目的トイレに設置してほしいと今年1月18日に管財課に要望書を提出したところ、2月1日に市から回答を頂きました。また、3月からは市役所1階の多目的トイレには設置されていて利用できるようになりました。

以下は要望書と回答です。

■要望書

財務部 管財課 御中

市役所の「多目的トイレ」に対しての要望

 最近、障害のある私たちにとってトイレに「温水洗浄機能」が必要であることを理解していただき、新しく施設がつくられるときや改修の際には設置していただけるようになりました。ありがとうございます。

 しかし、現在ある調布駅周辺の車いすでも利用できるトイレ(北口のパルコ4階、南口のとうきゅう3階、公的な施設としては総合福祉センター、たづくり、そして市役所の1階と4階など)にはいずれもついていません。市役所のトイレには「オストメイト」の機能がつきましたが、ぜひ温水洗浄機能もつけていただきたいのです。

 外出先などでは、どこのトイレに行けばこの機能が使えるか、ということを覚えておき、少し遠回りになってもそこに行くようにしています。また、ホテルなどに泊まるときにはトイレに温水洗浄機能がついているかどうかを必ず確かめます。それだけあってほしいものなのです。もし、さまざまな申請や会議などで訪れることの多い市役所に行けばあるということがわかっていれば、トイレのことを心配しなくてもすむようになり、障害を持っている私たちの外出や社会参加の機会ももっと増えてくると思います。市役所を利用するすべての人たちにとっても快適なはずです。

 調布駅界隈にはないため不便をしています。市役所の多目的トイレに温水洗浄機能を設置していただければと思い要望いたします(可能であれば1階・4階ともに)。よろしくご検討いただけますようお願い申し上げます。

 お手数おかけいたしますが、ご検討の結果を文書でお返事いただきたく重ねてお願い申し上げます。

2005.1.18(火)
新 井 昭 子


■回答

16調財管発第2930001号の2

平成17年2月1日

新井 昭子様

調布市管財課長

(公印省略)

市役所の「多目的トイレ」に対する要望について

大寒の候,新井様におかれましては,ますますご健勝のことと存じます。

日頃より,市政への積極的なご参加やご提言をいただくとともに,市政に対するご理解・ご協力をいただきお礼申しあげます。

このたび,市役所内の多目的トイレにおける温水洗浄装置の設置につきまして,ご要望をいただきました。

調布市では,平成9月4月に「調布市福祉のまちづくり条例」を制定し,高齢の方や障がいのある方にとって使いやすい施設は,すべての人にとって使いやすい施設であるという理念に基づいて,条例に沿った施設整備を進めてきたところでございます。

さて,ご要望のございました「多目的トイレに温水洗浄装置の設置」についてでございますが,調布駅周辺における多目的トイレの現状を考えますと,市役所内の多目的トイレに温水洗浄装置を設置することが,高齢の方や障がいのある方はもとより,すべてにとって使いやすい施設になるとともに,安心して外出できる支援につながると考えております。

このような考えに基づいて,現在,市役所内の1階及び4階に設置しております多目的トイレについて,設置スペース,機器類,改修規模,費用等について,調査・検討をしてまいりました。

この結果,4階の多目的トイレにつきましては,昨年オストメイト対応型に改修したものを撤去して,再度改修をしなければ設置できないことが判明しました。さらに,温水洗浄装置併用型の装置が開発されていないこと及びオストメイト対応を別に設置するスペースがないことなどの理由により,残念ながら現時点一では,ご要望にお応えすることが困難な状況でございます。一方,1階の多目的トイレは温水洗浄装置の設置に特段の支障がないことを確認しましたので,早速,改修の手続きを始め,2月下旬までには改修工事を完了させ,3月からご利用いただけるよう進めてまいります。

なお,4階の多目的トイレにつきましても,今後の機器開発等技術革新の動向に注意し,設置に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

今後も,お気づきの点などご意見をいただき,だれにでも使いやすい施設の整備を進めてまいりますので,ご理解をお願いいたします。


温水便器
市役所1階の多目的トイレに温水洗浄機能付便器が設置されました。


011 イトーヨーカ堂国領店 ユニバーサルデザイン・バリアフリー設備見学会に参加(2004.12.01 記事:新井昭子・東 直史)


2004年12月1日(水)、新しくできたイトーヨーカ堂国領店で「ユニバーサルデザイン・バリアフリー設備見学会」が行われました。これは大手スーパー・イトーヨーカ堂の人権啓発室が店舗のグランドオープンを前に、調布市社会福祉協議会を通じて市内の障がい者や高齢者の団体などに呼びかけたもので「まちのバリアフリー部会」からもメンバー数人が参加しました。

 当日は近隣の住民を対象にした「開店前日セール」のため店内は大変な混雑。その中で約80名の参加者はいくつかのグループに分かれ、店内スタッフの方の案内で主なバリアフリー設備を見学しました。上部の階数表示のところに車いすマークのついたエレベーター、手すりやいすが備え付けてあり車いすでも楽に入れることのできる「ゆったり試着室」、男女別にある多目的トイレ、車いすの人がひざに買い物かごを乗せることのできる「車いす用トレー(ハートレー)」、店内や入り口にある係員の呼び出しボタンなど、様々な配慮が見受けられました。

お手伝い案内ボタンお手伝い案内ボタン
買物のお手伝いの案内ボタンが入り口にも店内にもある



見学中では以下のような意見が交わされました。

・エレベーターがありましたが、混雑しているとみんな我先に乗ってしまって、結局本当に必要な人が乗れないということがあります。一人一人の意識が変わっていけばいいのかもしれませんが、もっとはっきり『優先』ということがわかる表示がほしい。

エレベーター前のスペース 車椅子対応エレベーターの表示が目立たない
エレベーター前の控えめで目立たないバリアフリー対応のマーク表示



・一般の試着室ではいつもいすを借りて利用していますが、車いすのまま入ることができるスペースのある試着室は助かります。赤ちゃん連れの人にも便利だと思います。この試着室は女性衣料品売り場だけとのことなので、男性衣料品売り場にはこのような試着室があちらにありますということを表示していただけると何よりです。

ゆったり試着室 ゆったり試着室
車いすのまま入って利用できる「ゆったり試着室」



・ひざに買い物かごを乗せられるトレーは便利ですね。売っていたらひとつほしい。

車椅子用買物トレイ 車椅子用買物トレイ
入り口に備え付けている車椅子用トレー



・店内の案内表示が反対向き。

・駐車場も身障者用スペースが確保されているので、車で来る人にも配慮されています。でも、京王線の国領駅から来る道は工事中で、車いすで通るのは大変でした。

・視覚や聴覚に障がいのある方の意見も聞きたい。

階段は踏段ごとに色を変えている
階段は段ごとに色を替えている。


・多目的トイレの水洗ボタンや手すり、ベッドの配置についてはもう少し改善する必要があります。二つトイレがあるのなら配置にバリエーションを持たせるといったように、さまざまな障害や状態の車いすの人たちにとって、車いすから便器に乗り移りやすいような位置にする必要があると思います。

水洗タッチパネルに手が届かない
手洗器と便器の位置が狭いため水洗タッチパネルに届かない


 見学がひととおり終わって担当の方にうかがったところ、今までの見学会などでの利用者の声はそれなりに反映されているようですが、たとえば国領店のトイレの配置などは、実際に決めて施工するときに当事者の意見を聞くような機会はなかったとのことです。今回は設備ができてしまってからの見学会でしたが、そこで吸い上げられた意見をもとに、よりよい設備へと改善していくために大切なことです。今回のような取り組みをした企業としてのイトーヨーカ堂の姿勢はおおいに評価すると同時に、更にお願いしたいことは、できあがってしまう前の企画・設計や施工の段階でも当事者や利用者の声を取り入れられるような取り組みをしていただきたいと思います。これからも積極的な取り組みに期待しています。







010 「第1回ワークショップみんなで話そう調布のバリアフリー」を開催しました

〜ワークショップ及びアンケートのまとめ〜

■2004年5月8日(土)14:00〜17:00、調布市文化会館たづくり12階大会議場において「第1回みんなで話そう調布のバリアフリー」ワークショップを開催しました。参加者総数約45名により、多様で内容のある意見が活発に交わされました。
会場は調布まちづくりの会の活動ポスター、まちのバリアフリー部会の活動ポスター、部会スタッフによる市内のバリアフリーに関する写真ポスターなどの展示および参考資料の展示、そしてワークショップ用のテーブルを5セット設置という構成でおこなわれました。
総合司会の進行に従い、開会の挨拶のあと、パソコンで編集したまちのバリアフリー部会の活動報告をプロジェクターの映写によりおこないました。また、各テーブルのコーディネーター役の紹介と、キャッチボールの実践を交えたわかりやすいワークショップの進め方の説明がありました。

会場の垂れ幕 開会の挨拶
会場の垂れ幕 開会の挨拶
部会活動の紹介コーナー ワークショップの説明風景
まちのバリアフリー部会の活動報告 ワークショップの説明コーナー
ワークショップはグループA〜Eの5グループにわかれ、各グループには市内の地図と市内9駅の周辺地図、そしてA1サイズの模造紙が用意され、6〜10名の参加者により行われました。各グループともワークショップの予定時間枠を超えてしまうほど、熱心に意見が交わされました。

休憩後のグループ発表のコーナーでは、各グループが話し合いの内容を表現した模造紙をパネルに貼り、興味深く聴き入る参加者の前で説明を行いました。



■各グループ発表

【グループA】

グループAは、車椅子利用者が日常的な体験に基づく都市施設の現状に対する意見や、問題解決のために、地域社会がまちのバリアフリーに関心をもち、何をするべきかという意見、さらに様々な立場の人の中でも身体的障碍があるにも係わらずその障碍が外見的に判断できない人にとって、周辺の人の理解を得られることが少ないため、ハード面においてもソフト面においてもバリアを感じることが多い、などの意見があった。

グループAのテーブル グループAの発表
グループAのテーブル グループAの発表
グループAのプレゼンテーション
グループAのプレゼンテーション

○車椅子で移動するとき

・車椅子利用者にとって、電車を使っての移動の時、事前に通知しないといけない。これもバリアになるのでは?


・だいぶ対応が良くなった。駅ごとに対応が違う。

車道のガードレールは車を中心に考えられている。人間を中心に考えるべき。

・ガードレールの設置の仕方に疑問!

・視覚障がい者用誘導ブロックは車椅子利用者にとってバリアでは?










・点字ブロックのつける位置は本当にいいの?視覚障がい者同士の話し合いが必要。

・歩道を斜めカットしているところ、コーナーは特に危ない!

新しい道路ができても同じ過ちをしているのは何故?



○地域での取り組み

・子供や地域の人々の体験教育が必要。









・社協の出前講座。
職員の意義
当事者が計画段階に参画する機会が必要。

・親子体験などで大人の意識改革も必要

イベント等をやっていることで伝わる部分。


○障がい者でも外見で判断できない人が増えている。

・ろうの人

・内臓疾患

・ほか

・問題が表面化しにくい

・いろんな人がいることを念頭にいれて行動することが大事。

○駅周辺の現状について
つつじヶ丘駅周辺

・駅付近の渡る道においては、視覚障がい者が安全に渡れるような工夫がほしい。
つつじヶ丘駅周辺地図
布田駅周辺

・(駅構内に)スロープはあるが、住宅地の中に出る。

・布田南通りなど車椅子での安全が保てる道路にした。

・歩道と車道をしっかり分けてほしい。

布田駅周辺地図
調布駅周辺

・調布駅前の旧甲州街道の歩道をもっと歩きやすいよう幅員を広げる工夫を。

@  電柱の地中化を。

A  車入れの傾斜をなくす。

・車椅子利用者にとって調布駅(構内昇降階段脇)のプラットホームは狭いのでは?

・(南口公衆トイレの)身障者用のトイレの鍵の位置が高すぎ
るのでは?

・農協横から品川道までの歩道の狭さは歩けるような状態ではない。早急に対処を。


・商店街(西友、東急通り)の自転車の撤去を徹底して。
調布駅周辺地図
西調布駅周辺

・(駅構内飛田給寄り南側プラットホームに)スロープがあるが、遠いところにでる。

・とり残されている。

・商店街とマンションなどが連携できない。
西調布駅周辺地図
飛田給駅周辺

・(旧甲州街道など)歩道が狭く、凹凸が多い

・電信柱もあり、自転車、車椅子が通れない。

・(駅南側のスペースで)道路駐車(防止)のため、ポールを立て(ているので)、(日常)生活、車椅子に(とって)不便。

(品川道南側で)歩道が途切れており、遊歩道へ行けない。→歩道整備
飛田給駅周辺地図





【グループB】

グループBでは、地方と東京とのバリア度の違いについての参加者の実感や、駅周辺のアクセシビリティーについて、特に移動手段を換える際のスペースを点から線、面への整備の必要性などの意見があった。又、市内の現状道路に対する批判的意見とともに肯定的意見もあった。
グループBのテーブル グループBの発表
グループBのテーブル グループBの発表
グループBのプレゼンテーション1 グループBの
プレゼンテーション1

グループBのプレゼンテーション2 グループBの
プレゼンテーション2

○ 地方都市に比べると東京の「バリア」は圧倒的・・・
地方都市→日常的に車で移動

東京→バス、電車、etc.

公共交通の乗り換えが多い

立体的な移動が多い

○ 自転車やバギーでの移動が危険/怖い

  →道路がせまい。電柱、etc.



○ 市内は車で移動しても駅の駐車場や乗降スペースがない。

 (駅周辺は)移動のモードがかわるところ。

  →点ではなく線として

  →余裕があること

  →立体的移動が多い

  →違うものが共存できるか

  →広ければ解決する(かも?)

  でも全部は無理だし。




【グループC】

グループCでは、制度・システム、ソフト(人)、ハード(都市施設の現状)というテーマに分けて話し合い、多様な意見を通して「制度やシステムとハードをつなぐのは人」というメッセージとしてまとめている。
グループCのテーブル グループCの発表
グループCのテーブル グループCの発表
グループCのプレゼンテーション
グループCのプレゼンテーション


○テーマ「制度システム」
・意見をどこにもっていけばいいのかがわからない。
・都市づくりに安全都市などの文字があるが、安全な道路、危険な場所等の指摘があっていいのでは?
・利用者と企画者によるつながりをもっとつくるべき。(テーマ「人」にも関係)
・一度に全部は変えられないので、出来ることから。
・バリアフリー化への具体的なアイデアを受け入れる部署を明確にする。
・新しい設備を取り入れる時、なるべく多くの声を聴いて役立てて欲しい。
・駅の職員に言わないと(階段昇降機などの)装置が使えない。
・行政のたて、よこの関係をどうつくっていくか。
・利用者のモニターとしての参加・協力が必要。(テーマ「人」にも関係)
・国道、市道、都道、私道の区分があり、バリアフリー化のすすめのさまたげになっている。
・市の発展のスピードに対し、行政、市民の対応がおそい。
・便利は好都合の施設があっても、充分に利用者に紹介されていない。エレベーターがあってもどこにあるかわからない。
・都市整備、造る側への必要な人々の参加が急務、行政システムの整備が必要。
・行政側との対話のしかた、直接の担当課との対話をすすめる。
・ニーズを吸い上げる/要求を出せるシステム作りが必要。


○テーマ「人」
・つくる前に利用者の意見を聞いてほしい。(テーマ「制度システム」にも関係)
・全体を見ることの出来るまとめ役が必要。
・駅周辺の自転車の放置が多く、車椅子を利用している人や視覚に障がいのある人が歩けない。
・市民のマナーについて、点字ブロックの上に自転車を置かない。
・放置自転車が置けないようにしているロープなどがバリアになる。(テーマ「ハード」にも関係)
・やっぱり駅周辺の放置自転車は困る。
・布田駅北側のスロープ出口前は、自転車が整理されて、出入りがスムースに出来るようになった。
・色々な機能はあっても方法や規格が統一されていないので困る。(テーマ「ハード」にも関係)
・障がいのある人が身近にいないので設計者が良く知らない。(テーマ「ハード」にも関係)
・設計者(建築設備)のレベルが低すぎる。ユニバーサルデザイン以前。(テーマ「ハード」にも関係)
・良いと感じたこと。駅の外からボタンを押すと駅員に連絡ができるしくみができている。(テーマ「ハード」にも関係)

○テーマ「ハード」
・安全なホーム・弱者にやさしい駅づくり。テーマ「人」にも関係)
・正面入り口が自動ドアでなくて車椅子を入れる時不便である。
・駅の階段昇降機は視覚障がい者には危ない。
・調布の階段昇降機に車椅子以外の人、歩行困難の人、高齢の人なども利用出来るように。
・概して、新しい道路は気を使った造りがされるようになった。
・調布駅、つつじヶ丘駅 昇降階段脇のホームが狭い。
・調布駅ホームが狭くて危ない。
・駅内へ車椅子が入れない。
・鉄道駅の整備はかなり進んでいるように思うが、それとつながる道が未整備。
・レンガ状の歩道はガタガタして困る。
・一般的に都市づくりは車がメインのつくりとなっている。人間のまちづくりとして歩道の整備が急務。
・調布駅とつつじヶ丘駅北口のロータリーは車が主役になっている。真ん中に歩道が必要。
・調布駅北口の駅前のスペースが狭いので危ない。駅に出入りする人、待ち合わせの人、切符を買う人駅前を通り抜ける人・・・。
・歩道と車道の段差が必要なのか?
・歩道がおまけに付いている道路が多い。都立南高校から市役所への道路など。
・狭い歩道に電柱が大いばり。つつじヶ丘の北口バス通りなど。
・歩道中心の道路。歩道巾2メートル以上必要。
・駅前の歩道が狭い。
・(調布駅前)歩道巾を広く。段差を少なく安心して歩けるように。
・バス停留所用点字ブロックがあったほうがいいのでは?





【グループD】

グループDでは、制度、ハード、ソフトなど、まちのバリアフリーの様々な現状を踏まえた上で、個人レベルにおいてもNPOにおいても、また行政においても、より住みやすい街をめざした協働のまちづくりを継続していく大切さについて意見が交わされた。
グループDのテーブル グループDの発表
グループDのテーブル グループDの発表
グループDのプレゼンターション1
グループDのプレゼンテーション1
グループDのプレゼンターション2
グループDのプレゼンテーション2

・発言する場・聞く耳→実施することへつながる。
・個人の視点が大切。
・個人で声を出すのは3回で限界、メゲル、でも必要。
・気がついていない人の参加も増やす。 
・様々な人、一人でも多くの人が使いやすい、暮らしやすい(ことが大切)。
・もちろんNPOなどの継続的活動も大切。
・新しくできる施設は当事者の声を反映したものに。
・ちょっとしたこと(意見)でも重要なこと(がある)。これをもっと伝え、広げる場、共に考える場が必要。そして(そのことでより)ムダをなくすことができる。
・つくられたルール(条例や指針など)をどうすれば見直されるか。
→誰に言えば?行政は実行部隊。決まったこと決めた理由。ルールも変えよう。みんなが使いやすいように。
・声を上げていきたい。上げる場づくり。
・明言できないグレーゾーンの障がいのある人もいる、十人十色の人がいるはず。
・縦割りも変化、でもムダ。
・アクセスの工夫、省エネを考慮、ムダをつくらない。
・ソフト、情報をどう入手するか。
・歩けるまち→歩けない人には?
・車のための道、マイカー優先により公共交通の利便性は高まったが、一方で歩ける、また歩く楽しみとしての文化的価値が希薄になったまちづくりになったのでは?
・車道優先による狭い歩道では、段差、すりつけ勾配など車椅子利用者や歩行者にとって過酷な様相を呈している。
・鉄道車両の座席はいったい誰のため?
・学びの居場所
・縦割りをつなぐために
・各講座、学習会の場をすべて参加できるようにする。
・道路改修にあたって自動車よりも歩行者を中心に考える。
・放置自転車、特に点字ブロック上
・歩道の整備、広くする。
・今までも障がいのある方と接してきましたが、私に何が出来るかしか考えてなかったが、これからは何をしなければならないかを考えてみたいと思って参加しました。
・段差の少ない道になるといいな。
・いろいろなことに声を出せたらいいな。
・安心して歩き回れる街がいい。
・街の歴史や文化にだれもが触れることができる街。
・便利な車を不便に、不便な人が便利に。
・介護ベッド付車椅子用トイレ(ユニバーサルトイレ)を主要施設に整備してほしい。
・歩道が斜めになっていて、とても車椅子を押しにくい。高齢で足が不自由な方も歩きにくいと言っていた。歩きやすい歩道にしてほしい。
・バリアフリーのまちづくりに終わりはない。ゴールはない。
・一人でも多くの人が快適に暮らせるまちのために何ができるか、何をしているか。
・建築計画から建設終了後の評価をしっかりフィードバックしていくシステムが必要。
・悪かったところを批難するのではなく、次のステップへつなげる。




【グループE】

グループEでは、まちのバリアフリーをソフトバリアフリーとハードバリアフリーに分類して、さらにそれぞれ参加者の体験から掲げたキーワードについて話し合った。特に聴覚に障がいのある人の具体的で貴重な意見があった。
グループEのテーブル グループEの発表
グループEのテーブル グループEの発表
グループEのプレゼンターション
グループEのプレゼンテーション


○ソフトバリアフリー(*は聴覚に障がいのある人の意見)
「情報バリア」
・まちのなかでの情報の保障を。
・*宅配ピザなど、ファクス注文ができるようにしてほしい。
・*事故などで電車が止まってしったとき、ドアの開閉など、車内アナウンスが聴こえないので困っている。
・*JR中央線では事故時に紙に書いた注意標識カードを駅員から伝えてもらえるが、私鉄ではどうか。
・*事故などの非常時に車内電光掲示があればと思います。
・*バリアフリー関係の資料等の連絡先にファクス番号が入っていないため、聴覚障がいを持っていると問い合わせもできない。
「気持ちのバリア」
・差別や偏見からのバリアフリー。まず、ハンディをもって生きていくことに自信をもって。
・精神障がいのための差別や偏見からのバリアフリー。
・目に見えない障がいへの理解を深める。
・自分のこととして考えることのできる感性。
「技術の進歩によるバリアフリー化」
・骨伝導システム。
・携帯電話・メールの普及。
「制度」
・*通訳派遣や支援費などのサポート制度が本当に利用者本位か?
「きっかけ」
・いろんな立場の人が共存していくためには、たくさんの話し合いが必要。
・日常的に見過ごしてしまっていることを改めて気づく。
・車椅子利用者にとってバリアになることが、視覚に障がいのある人にとっては必要であることもあり、また逆のこともある。共存することの難しさを感じる。
・*ハモニカ横丁のような狭さが雰囲気をつくっている場所など、車椅子利用者や視覚に障がいのある人はどう感じているのかな?
「教育」
・まちづくりの成果からの学習を導入。

「こんなのあったら」
・居酒屋マップがあればいいなぁ。車椅子はOKのマーク。
・W.C.の手摺や鍵が自由自在に使えるよう工夫があったらいい。
・*車内文字映像をふやそうね!

○ハードバリアフリー
「調布のいい所」
・多摩川べりの散歩道はいいなぁ。(車椅子でのアクセシビリティが良くなっている)
初めて調布に来たが、調布駅南口はうらやましいと感じた。
・京王線連続立体化事業による駅周辺の計画に、現在の南口広場の噴水(おへそになるシンボル)があればいいなぁ。
・日本は福祉制度が遅れているような気がするけれど、調布市がある東京ってまだいいほうだと思う。
・調布駅南口広場の樹はどうなるのかな。
・*大型複合店舗内のドーナツ販売店でセルフサービスになって、聴覚に障がいがあっても、自分で選んで買えることができるのがよかった。
「バリア」
・飲食店など、決まったところしか行けない。
・駅の階段昇降機の使い勝手の悪さ。点字表示など、どれだけの人が読めるのか。市役所通りの歩道の狭さ。
・調布駅東口付近の放置自転車。
・歩道が狭い上に、路面が斜めになっていて(つつじヶ丘駅周辺)車椅子ではとても怖い。
・駅のホームが狭い。階段昇降機も車椅子だけにしか対応していない



■アンケート集計結果
参加者数:45人(スタッフ・ファシリテーター含む)
アンケート用紙回収数:24枚
ポストイット回収数:21枚
≪アンケート用紙≫
○今回のワークショップはどちらでお知りになりましたか?
 (複数回答あり)
1.ポスター・チラシ・・・3 (12.5%)場所は無記載

2.市報・・・・・・・・・1 ( 0.4%)

3.調布FM・・・・・・・1 ( 0.4%)
4.月間パレット・・・・・0
5.新聞・・・・・・・・・0
6.知人から・・・・・・・18(75.0%)
7.その他・・・・・・・・4 (16.7%)
○あなたがまちの中で「バリア」だと感じるのはどんなところですか? いくつでも丸をつけてください。
1.放置自転車・・・・・・20(83.3%)
2.道路や建物の段差・・・20(83.3%)
3.駅の階段・・・・・・・1 (62.5%)
4.情報・・・・・・・・・8 (33.3%)
5.コミュニケーション・・7 (29.2%)
6.高齢者や障がい者な
 どに対する理解不足・・13(54.2%)
7.トイレ・・・・・・・・8 (33.3%)
8.映画館や劇場・・・・・4 (16.7%)
9.電車やバス・・・・・・7 (29.2%)

10.商業施設・・・・・・・4 (16.7%)

11.公共施設・・・・・・・4 (16.7%)

12.その他・・・・・・・・0
○そのバリアを「バリアフリー」にしていくためにはどのようにしたらよいでしょうか?(キーワード毎にまとめています。)

[行政との協働]
・市民の声を集約して行政に伝え、実行させていくこと。

・市民グループの意見集約を強め、行政との協力関係を築いていくこと。行政の所管担当で任せるのではなく、市政全体の立場から市民本位の視点で進めていくこと。
・市と市民との協働のシステム。
・市と相談していくことだと思います。

[共存・相互理解]

・共存していくため、この企画のように草の根運動のような多くの市民に知ってもらうための働きかけが大事だと思います。
・お互いのことをよりよく知るべきである。
・障害者の方、地域の方双方がお互いのことを考え、知り、話す場が増えること。

・それぞれの立場にとってバリアが違うものならば、話し合って決めていくしかないということでしょうか。話し合える場(普段の会話でも)がふえるといいと思います。

[教育・広報]
・関心のない人たちへの働きかけ、学習会、講座の開催、資料配布。
・広報、教育、主体性の充実。
・教育(小・中・高)。
・一人一人が「バリアフリー」という言葉を広げていくことだと思います。

・根気よく、「あきらめず」「あせらず」「あきず」「あわてず」に市民自体も意識改革をする。教育を行う。
[まち会に期待]

・どんどん発言する。こういう場を増やす。できる人(行政など)に橋渡ししてくれる人が必要。まち会に期待します。

[その他]
・みんなで工夫する。

・一番大切なことは、バリアを感じている人の声を聞くことだと思います。次にその声を具体的にしていくことです。
・市民が一団となって考えていく方法を考える。
・何がバリアと感じているかを声に出していくこと
              ・・・・・・・認知
  その声(いろいろ)をまとめて、その段階でのベス ト案をつくること     ・・・・調整、立案  ベスト案をみんなで協力して実行に移していくこと               ・・・・・・協働
・要求の場をつくる

・これといった解決策が見出せません。市民みんながバリアと感じていただくしかないのでは?
・システムとしての実績の蓄積。
○ワークショップに参加されてみていかがだったでしょうか? 何でもかまいません。ご意見、ご感想をおきかせください。
・どうもありがとうございました。第2回もできることを楽しみにしています。
・今後ともよろしく。
・大変よかった。
・楽しかったです。当事者の意見を聞けたのがよかったです。
・だれでも気軽に参加し、発言できる雰囲気がとてもよかったと思います。特に障害がある方が参加され、発言され、とてもよかったと思います。より多くの参加があればいいですね。
・根気よく、くり返しくり返し企画して、成果あるようにしていきましょう。
・よかった。
・知らない世界を見せてもらった感じです。

・「声を聞いていただいた」という良い印象。その声を次にどう活かされるのか期待したいです。

・ワークショップとしてはあまり参考になるとは思いませんでしたが、地域、行政の人たちとの解決策を見出すことが大事と思っています。先を期待します。
・新しい町づくりに対する関心度が増した。

・いろいろな考えがあり、たいへん勉強になりました。また次回も参してみたいと思います。続けていくこと、参加者を増やすこと、声を大きくすることが大切かなと思います。お疲れ様でした。

・もっといろいろな障害者の参加が必要。関係部署の市役所をお呼びしたほうがよいのでは。
・多様な話が出たが、ここから何かがそだっていってほしい。広い視野が今日得られた。
・立場の異なった方の意見をうかがえて今後の参考にしたい。
・多くの意見が出たが、どういうふうにまとめられるのか?

・当たり前のことだと思いますが、バリアフリーということは難しい問題だと思います。こういうワークショップをくり返すことでコンセンサスができてくればと思いました。
≪ポストイットの意見≫
[今後の活動・あり方]
・成果が目に見えると市民の興味関心も高まると思うので、今回の結果をどのような形にできるか、どのように宣伝するかがポイントではないか、と思います。
・聞きっぱなしにならないようにしてください。
・2回目以降はテーマを明確にしてはどうでしょうか。たとえば、地域別、機能別(施設)。今回は議論が発散しすぎたきがします。
・大変有意義な集会でした。まだまだ意見、または情報が出ることが期待できると思います。連続、または定期的な交換の機会ができればと思います。
・本日のような多くの意見がひとつでもふたつでも確実に実現できることを願います。どうぞがんばってください。参加者が調布市民全員となりますように。
・これからの高齢化社会に向かって大変重要な催しだと思う。続けてやってほしい。
・このイベントの成果物を生かせるように、しかるべき相手先に働きかけていただきたい。
・参加してよかった。またこのような機会を作ってください。次回はもっともっとたくさんの方を誘いたいです。勉強になりました。もっともっといろいろな方のお話をうかがいたかったのですか、時間が足りませんでした。
・市民間の意見交換だけでなく、市行政との真剣な意見交換も企画して。
・行政の上からの企画ではなく、市民から生まれた企画にとてもすばらしいと思います。これから期待しますし、参加していきたいと思います。


[広報・PR]
・もっとたくさんの人に来てもらうには? 関心のない人たちにも広めたい。
・聞こえない人たちにもっとPRしてほしい!!(ろう協会などの団体に事前に伝えてほしい)
・メディアを活用してもっとひろめてほしいなー。


[共存]
・お互いの立場で考えるキッカケになりました(共存)。
・テーマは共存かな・・・。話し合い(ポストイット)。

[その他]
・このような市民参加、市民学習のような公的マニュアルづくりもやったほうが良い。
・バリアフリーまちづくりについて日常的に取り組んでいる団体を知ることができてよかったです。子連れで参加せざるを得ないので、恒常的に参加できないのが残念です。障害児の保育があれば参加しやすくなります。

 話し合いの内容は、調布の具体的なハード面から抽象面まであり、今後市に反映していくには整理して話し合いを煮詰めていく必要があると思います。
 障害といっても実にさまざま。今日もそのことを学べました。ともすると自分の子の障害のことのみになりがちなので、視野を広げることを大切にしたいです。お互いに。

 たとえば、パルコのミスタードーナツがセルフサービスになり、聴覚障害の方が入れるようになったと聞き、そういう方もいるんだと発見がありました。

 でも、私のように何でもつかんでしまう娘とともには利用することができなくなった人もいることも知ってほしいです。
・バリア(障壁)を取り除くにはハード面が必要である。そのことをどう生かせるかは「人」とのふれあい、障害者とのふれあい、理解しあうことがとても大切と再認識しました。
 システムの問題を解決するのも「人」の力であり、人と人を連携していく、そんなまちづくりを目指していきたい。
・自分の気がつかなかった「まちのバリアー」が発見できました。いずれちょっと相手の立場に立って考えればもう少し、気持ちよく暮らせるまちになりそう。
 お金も手間もかからない「キャッチボールしよう」という気持ちを広げるのも大事ですね。
・今回のような集まりにはじめて参加しました。「物事の第一歩とはこんな風にはじまるのか」というのが感想です。次につながると良いですね。
・第一回目にしては成功だったと思う。
 影で動いてくださったまちのバリアフリーの皆様方、ありがとうございました。今後の活動に生かしていきたいと思います。

■ 2004.05.22 まちのバリアフリー部会臨時部会での話し合いを踏まえて(記事:新井昭子)
ワークショップのまとめと参加者のみなさまからいただいたアンケートのまとめを基に臨時部会において反省会を行いました。
印象的だった内容に、ワークショップの発表の際、聴覚障がいの方から 「ドーナツ販売店で、以前は商品がショーケースの中にあり、商品名を言葉で注文しないといけないので、話すことのできない障がいをもつ私たちにとって利用しずらかったのですが、改装で棚にオープンに並べられセルフサービスで取れるようになってよかった」 というご意見がありました。

一方、アンケートの中に障がいのある車いすのお子さんとごいっしょだった方から、 「ドーナツ販売店がセルフサービスになり、聴覚障がいの方が利用しやすくるようになったと聞き、そういう方もいるんだと発見がありました。でも、私のように何でもつかんでしまう娘とともには利用することができなくなった人もいることも知ってほしいです」 という意見がありました。
これらの意見から、すべての人がより暮らしやすい街めざすという想いがある反面、ワークショップの中で論点になることの多かった「共存」の難しさを改めて実感いたしました。
ワークショップの結果や参加者みなさまのアンケートを基に、まちのバリアフリー部会ではこれからも地道な活動に取り組んでいきたいと考えています。みなさま、ありがとうございました。




009 まちのバリアフリー部会フィールドワーク「京王線飛田給駅バリアフリーウォッチング」(2004.03.03 記事:東 直史)
2001年、京王線飛田給駅は当時の東京スタジアム(現在の「味の素スタジアム」)のオープンに合わせて改修工事が行われ、駅施設にはエレベーターやエスカレーター、車いすでも使えるだれでもトイレが設置されました。駅周辺の整備事業でまわりの環境も大きく変わりましたが、地区住民は1995年に自治会を中心とした「まちづくり協議会」をつくり、区画整理や道路、駅前広場の整備について話し合いを重ね、行政に対して要望を行ってきました。 歩道と車道の段差も車いすや視覚障害、高齢の人たちなど、地域で実際に利用をする当事者と行政との話し合いの中で1pということが決められたといいます。 私たちは江戸川区の「歩車道ゼロ段差」の取り組みを視察しましたが、今回はもっと身近な飛田給駅とその周辺の様子をフィールドワークしてみることにしました。
 2004年3月3日(水)、飛田給駅の改札に集まったのは電動車いすや視覚障害の人も含め7人。顔ぶれは「まちのバリアフリー部会」の精鋭(?)ばかり。


飛田給駅改札口前にて集合


さっそくフィールドワークのスタートです。案内は、改修工事のときに飛田給まちづくり協議会に参加していたという、電動車いすのメンバー。エレベーターや視覚障害者用誘導ブロック(点字ブロック)などの項目ごとに感想や意見をまとめてみると

 駅(公共通路)エレベーター

・車いすで利用するときに、エレベーター外側の上下の押しボタンの位置からドアの位置までの奥行きに足の入る余裕があるため、ボタンに手が届きやすく押しやすい。

・音声案内がエレベーターの中だけで、音量が小さく、聞こえにくい。

・ボタンのところに点字の表示があるが、ふつう点字は指の腹が下に向いた状態で読むので壁に対して水平の状態では読みにくい。

・駅改札に上がる1階のエレベーター乗り場は、雨や風を除けることのできる構造(風除室)になっていて配慮がされている。
エレベーターかごのドアがセットバックしているので車椅子利用者は楽にボタンを押すことができる。
点字表示の位置が低いので、うまく触知しにくい。一方、風除室があるので雨の日はありがたい。




駅周辺の歩道と車道の段差

・視覚障害者にとっては1cmでも白杖が「コツン」と当たるのでわかりやすい。

・車いすでも大きな衝撃はない。
歩車道段差1センチは白杖で充分感知できる。 車椅子へのショックも小さい


駅周辺と味の素スタジアムへのアプローチ

・点字ブロックの種類が統一されていない(まわりのタイル・ブロックの大きさに合わせてあるため)。

・設置の意図がわからない点字ブロックがある(点字ブロックが適切に設置されていない。例えば、タクシー乗り場まで敷かれていない、かえって迷ってしまうのではないかという場所や、余分だと思われるような箇所にあったということなど)。
いくつかの形状の点字ブロックが設けられているため、戸惑いを感じる箇所がある。

公共トイレ

・女性用のトイレの中に点字ブロックが設置されていない。

・触知図の場所がわからない、読みにくい。見える人の視点で作られている。

・触知図の表現の仕方として、トイレの位置表示の手前に範例があるが、現在位置を手前にした方がわかりやすい。判例と位置表示の図は分けたほうがわかりやすいのでは。
公共トイレの案内触知板:そもそも凡例説明と平面図の位置関係を感知することが困難。明確に分離をする手段が必要。




北側駅前広場

・タクシー乗り場(乗降各場)の歩道が切り落とされていない。

・タクシー乗り場(乗降各場)やバス停がわかるような点字ブロックが設置されていない。

・交番の前の車道(市道西48号線)と歩道の区別があいまいなため危険(地元の人なら車も通るということを知っているけれど、視覚障害者にはその道幅もやや広めだし、広場とフラットなので車道ということがわかりにくく危険ではないか。電動車いすの人も危険を感じた。このような道はスタジアムに行くまでに何箇所かあり、同じような感想)。

・導線が配慮されていない点字ブロックの配置。


タクシー乗り場まで点字ブロックが連続していない。歩車道の切り下げもない。 点字ブロックの導線が雁行していたり、店舗の窓の直前迄伸びていて、敷設の設計意図が不明。
歩道や広場と車道がフラットレベルに設計されていて、歩車道を区別するため舗装材の色調を変えていることと埋込式車止ポールを設けている。しかし視覚障害者や初めての来訪者に限らず、そこが車道であることを認識することが困難である。



味の素スタジアムへの横断歩道橋

・ 駅側の歩道橋の左右の手すりは、手すり下に自転車を上げ下げするスロープがあるので、手すりに手が届きにくく役に立たない。中央の手すりは1本なので昇り降りには利用できないし、反対側のスタジアム側の階段のように中央に自転車のスロープがあればいいのか、デザインを検討する必要があるのではないか。これら手すりとスロープについては、設計の決まった段階で市と障害者との話し合いがあり、その中で指摘をし、直してほしいと要望をしたが、結果的にそれが反映されなかった。カタチになってしまってから直すのは大変なことで、今となってはとても残念。

自転車用のスロープ巾の分、歩行者用手摺の位置が不適当。


その他・全体を通して

・飛田給駅に限らず、駅構内やトイレの案内をする触知図や点字表示がわかりにくい。トイレ内の設備や点字、手すりの取り付け位置など、設置する前、(たとえ工事中でも必要があれば)実際に利用をする当事者がチェックをする必要がある。

・駅ホームの幅が狭く、スタジアムでイベントが行われるときには混雑して人があふれ出しそうになる。とくに視覚障害者にとっては危険を感じる。ホームゲートがほしい。

・ハンドル型電動車いす(シニアカー)や車いすは、駐輪場によっては置くことを断られる場合がある。駐輪場にも多様なニーズにこたえられるようなスペースが必要。
飛田給北口地下駐輪場


歩道と車道との段差や点字ブロックの配置など、当事者との話し合いの中で決められたという飛田給駅とその周辺ですが、あらためて実際に歩いてみるとさまざまな問題点があることがわかりました。計画や設計、施工の段階に市民・利用者が参加し意見を反映させていくことは大切ですが、施設や設備ができた後の、それを利用してみたときの評価や検証、そしてその結果をフィードバックしていつでも必要があれは改修もできる、というしくみづくりも必要なことなのではないでしょうか。5月のワークショップに今回の結果を生かしていければと思います。

寒空の中、参加されたみなさんお疲れさまでした。
甲州街道歩道ブリッジから見た飛田給駅周辺





008体験してきました! 江戸川区が取り組む歩道と車道の「ゼロ段差」 (2004.01.29 記事:東 直史)


「歩道と車道の段差をゼロに」。そんな江戸川区の取り組みを紹介した新聞記事にふれたのは、一年半ほど前のことでしょうか。何気なく通り過ぎてしまいがちなこの段差、視覚障害の人たちが歩道と車道の区別を認識するために必要なものとして、調布市の『福祉のまちづくり条例 施設整備マニュアル』でも「歩車道境界部の段差を残すこととし、その段差は2センチとする」という基準が設けられています。
 でもこの段差、車いすの人にとっては想像以上に「ガタン」という衝撃を感じるもので、そのために歩道を避けて車道を通る車いすの人も少なくありません。
「その段差をゼロにする?」「でもどうやって?」「視覚障害の人は困らないの?」いろいろな疑問と大きな関心がありました。
私たちまちのバリアフリー部会では、5月に行う予定のシンポジウム&ワークショップを前に、フィールドワークとして実際に江戸川区を訪ねてみることにしました。

都営新宿線瑞江駅にて集合
2004.01.29 都営新宿線瑞江駅にて集合


"ピンポーン" 「都営新宿線瑞江駅北口はこちらです。東部フレンドホールへは駅を背に横断歩道を渡り、ひとつめの交差点を右にお進みください」駅を降りるとこんな声が聞こえてきました。

駅前案内板上の音声誘導装置 音声誘導装置用カード式ボタン
案内板の上にある音声誘導装置(左写真)とカード式ボタン(右写真)

江戸川区では、胸のポケットに入るほどの大きさのカード式のボタンを押すと、音声の案内が流れる「音声誘導装置」を主要な駅や公共施設に設置しています。私たちもその声に案内され、東部フレンドホール前の歩道へ。 
 
江戸川区の歩車道ゼロ段差は、視覚障害者用の誘導ブロック(点字ブロック)を歩道の端につけ、車道と歩道の間にゆるやかに傾斜をつけた幅17センチのスロープ状のブロックを敷いて段差をなくすというものです。
「うん、これなら車いすやベビーカーでもスムーズに通れるね」
「足の感触で境目もわかるしね」
「車いすで通ると点字ブロックのところで少しガタガタするかなぁ。手動の車いすだとどうだろう」
「車道から歩道へ入るときがわかりにくいかなぁ。でも危険なのは歩道から車道へ出るときだものねぇ」
私たち6人は、さっそく歩道と車道の間を行ったり来たり。
江戸川区土木部のお話では、1993年から駅や公共施設の周辺に優先的に設置し、来年度(2004)中には区で管理する道路の60パーセントの段差が解消される予定とのことです。


歩車道段差0センチ 歩車道段差0センチ
歩車道段差0センチ 歩車道段差0センチ
歩車道段差0センチ
歩車道段差0センチ 歩車道段差0センチ
歩車道段差0センチ
以上写真:歩車道段差0センチと点字ブロックの状況



でもそもそもこの取り組み、きっかけはどのようなことだったのでしょうか?
「私たちは個別の問題についてのふだんからの意見調整のほかに、13年程前から年1回、行政の各部局との間で定期的に意見交換会を行ってきました。その場で様々な要望をまとめて総合的に伝え、改善するようにしています。
 そうした今までの積み重ねと、江戸川区という地域性、そして視覚障害者と車いすの方、行政が、共に何度も話し合いやフィールドワークを重ね、お互いの妥協の中で生まれたのがこのゼロ段差なのです。様々な障害者が安全にまちに出て、だれもがまちを楽しめる。そんな生き方が育っていけばと考えています」と話すのは当事者団体である『NPO法人江戸川区視覚障害者福祉協会』の理事長の松本さん。
『リハビリ自主グループ友だちつくろう会』の会長の加藤さんも「こうしてほしい、という要望を区の方に伝えたら、担当者が飛んできてすぐに対応してくれたことがあります。ハードの面が改善されていけば障害があってもどんどん外に出て行けるようになる。声に出していくことが大切ですね」
障害をもった人たちと行政との「打てば響くような」関係。そして、今までの積み重ねがあってこそ実現できた取り組みなのです。

江戸川区東部フレンドホール会議室での懇談 江戸川区東部フレンドホール会議室での懇談
江戸川区東部フレンドホール会議室での懇談
歩車道段差0センチのすりつけ部縁石サンプル 歩車道段差0センチのすりつけ部縁石サンプル
歩車道段差0センチのすりつけ部縁石サンプル
東京都建設局型歩車道段差縁石断面図
東京都建設局型
江戸川区型歩車道段差縁石断面図
江戸川区型



国土交通省では「歩車道境界部の段差は標準2センチとするが、視覚障害者の識別性を確保すること等の条件が満たされれば、2センチ未満の段差を整備することも可能とする」という『道路の移動円滑化ガイドライン』を昨年の1月に策定しました。江戸川区では先取りして、この"視覚障害者の識別性を確保すること等の条件"として「ゼロ段差」を、様々な立場の人たちの意見を取り入れ、試行錯誤の中から生み出したのだといえるでしょう。
調布市の飛田給でも2001年3月、京王線の駅改修工事に合わせた周辺の歩道の整備のときに、沿線に住む車いすや視覚障害、高齢の人たちとの話し合いの中で、歩車道の段差は1センチにすることが決められました。実際にそこに暮らし、利用をする人たちの合意にもとづいて施策が決定されていくことがとても大切なのだと思います。

「今までに道づくりや福祉の専門家を講師にした職員の研修会や、区内の施設や道路のバリアフリーチェックを行ってきました。私たちは、障害を持たれている方たちが、ふだんの生活の中でどのような不便を感じているのか、意見をうかがい、接点が持てるような環境づくりにこころがけています」とは江戸川区の土木部計画課計画係の関野さん。
調布でも、「市民と行政のコラボレーション・協働」というような言葉がよく聞かれるようになりましたが、どうも言葉だけが先行していてそうした関係はまだ実現できていないというのが実感です。
国領駅から調布駅にかけての京王線が「連続立体交差事業」で地下化されることが決定され、今年にはもう工事が始まろうとしています。交通バリアフリー法の下、駅周辺や沿線が大きく変わろうとする中、歩車道の段差がどうなるかは注目されます。
だれにとっても住みやすいまちづくりのために、市民と行政、様々な立場の人たちが、対立するのではなくお互いに歩み寄って共通点を見つけていく。そしてそのために、行政の姿勢をより市民に身近なものにして、共にひとつのものを生み出していく関係を作っていくのは、ほかでもない私たち市民自身の力なのではないでしょうか。

最後になりましたが、松本さん、加藤さん、江戸川区の土木部のみなさん。お忙しい中ありがとうございました。

※次回は3月3日(水)、1cmの段差の「飛田給」と連続立体交差事業で地下化されることになった調布駅とその周辺の現況をフィールドワークします。



007公民館主催の講座を受講したときの体験 (2004.01.06記事:新井昭子)
市報「ちょうふ」2003年(平成15年)10月20日 No.1192に掲載された、北部公民館 美術史講座「いわさきちひろの絵と心(全4回)」を受講しました。そのときの体験です。

講座の概要は下記の内容で、スライド写真を見ながら、ちひろ美術館学芸員の方の解説で作品を鑑賞し、最終日はバスで「ちひろ美術館」を見学するというものでした。

@ 11月20日(木)「ちひろの人生」川添さやか氏(ちひろ美術館職員)
A 11月27日(木)「ちひろの絵本作り」中平洋子氏(ちひろ美術館職員)
B 12月11日(木)「ちひろの技法」関口悦子氏(ちひろ美術館職員)
C 12月18日(木)「ちひろの美術館見学」交通/市のバス

電話で申し込むときに「4回目は美術館見学なのですが、バスへ乗り込むのは大丈夫でしょうか?」とスタッフに聞かれたので、「私は電動車いすを利用しているのですが、バスは車いすも乗れるバスでしょうか? 市のバスには車いすごと乗れるのがあるのですが、それでしょうか?」と聞き直しました。すると、「今回のバスは車いすが乗れるものではないのです」という返事でしたので、美術館見学のバス移動のときだけは手動車いすで参加し、車いすを折りたたんでバスに積み込むことにしました。

しかし当日は、私の住まいから集合場所までの行き帰りのアクセスに電動車いすが必要なため、電動車いすで集合場所のバス乗り場まで行き、美術館では美術館の車いすを借りて見学をすることにしました。

そこで、電動車いすの保管場所をどこにするかということになり、最初は総合福祉センターに預かってもらうように北部公民館の方が手配してくださったのですが、当日はあいにく福祉センターが(火災?)点検の日で、夕方5時半すぎには建物を閉めてしまうとのことだったのです。バスが解散場所の市役所に着く予定は5時だったのですが、渋滞などで遅れたときにどうするか。5時半をすぎてしまったときには、北部公民館の職員が受け取りに来てくれるようにするなどと、ややこしい感じだったので、私の考えで「たづくり」の受付に事情を話したところ、預かってくれるということで、そうすることになりました。

 さて当日、市のバスに乗り込むと、そのバスは私が美術史講座に申し込むときにこの見学のことで話をした車いすごと乗れるバスだったのです。ですが、「スタッフが車いすのまま乗車することを伝えていなかった」ということで、座席を外して車いすのスペースを作る必要があり、また運転手さんがリフトの操作も慣れていないようだったこともあり、予定通り私だけバスに乗り込み電動車いすは「たづくり」に預けました。そして美術館で手動車いすを借りて見学しました。

 一転二転しましたが、市報に講座案内を出す当初から車いすの人も参加できることが前提になっていれば、バスでの準備手配もそのようにできたはずですから、今回のように私ばかりでなく北部公民館の職員の手間や気苦労もなく済んだと思うのです。

 せっかくの今回の体験を次回に、また北部公民館ばかりでなく他の公民館にもと思い、2003年12月24日(水)に北部公民館の今回の美術史講座の担当だった職員に電話をし、下記のような内容を伝えました。

 「どの講座も私のような車いす使用者や様々な障碍をもった人、誰もが当たり前に参加できるよう、参加することが前提で企画をしてほしい。今回のような両者にとって面倒なことにならないためにも、またそれ以前に誰もが当たり前に公民館の講座に参加できるように、北部公民館ばかりのことにせず、公民館の館長会議で統一したものになるよう提案していただきたいのです」

 役所の様々なしくみが障碍をもつ私たちや高齢者のみなさん、保育期の子どもさんを連れた保護者のみなさんなどにとって、バリアのないものになってほしいと実感した体験でした。


006平成15年度 関東運輸局管内交通施設バリアフリー化設備整備費補助金交付対象駅の京王線現状調査をしました。 (2003.12.29記事:新井昭子&東 直史)

関東運輸局では今年度の交通施設のバリアフリー化を促進するための補助金の交付先を明らかにしています。
http://www.mlit.go.jp/tetudo/barrier/06_01a.html
http://www.ktt.mlit.go.jp/TETUDOU/TETU_02/eki_bari15.pdf


そこで、交付駅に指定されている京王線対象駅を2003.12.27に現場調査をしてきましたので報告します。

対象駅は中河原、笹塚、京王堀之内、幡ヶ谷です。
<>内は調査した施設などです。

@中河原

<移動に関して>(→は移動経路。以下同)
地上出入り口→改札口 ・・・・・・・・・・・・・・・フラット
改札口→(中2階コンコース)→上下線各ホーム ・・・階段昇降機(ギャラベンタ)

階段昇降機
階段昇降機(ギャラベンタ)


<トイレ>
改札内の中2階コンコースに「だれでもトイレ」(「オムツ替えシート」あり)があるが、ギャラベンタから途中で降りられないため、実質的には使えない(使う場合は改札のある1階から「おみこし」)。

中2階コンコース正面の「だれでもトイレ」
中2階コンコース正面にある「だれでもトイレ」一方ギャラベンタはU旋回してプラットホームへ直行となっている。


<その他>
2月に始まる予定だったエレベーター設置工事が5月に延期された(要確認)。

府中へ移動しようとしたところ、上りホームへのギャラベンタが動かず、下り線ホームから一度反対方向の「聖蹟桜ヶ丘」まで行き、乗り換えて府中まで。

<駅周辺情報>
駅前のスーパー「ライフ」の2階に「だれでもトイレ」。4階の「府中市女性センター・スクエア21」に「オストメイト対応だれでもトイレ」。

スーパー「ライフ」2階の「だれでもトイレ」 府中市女性センター・スクエア21の「オストメイト対応だれでもトイレ」
スーパー「ライフ」2階の
「だれでもトイレ」
府中市女性センター・スクエア21の「オストメイト対応だれでもトイレ」



A笹塚

<移動に関して>
地上出入り口→改札口・・・・・・・・フラット
改札口→中2階コンコース・・・・・・エレベーター(6人乗りスルーエレベーター、東芝製)
中2階コンコース→上下線各ホーム・・エレベーター(11人乗りシースルー直角エレベーター、東芝製、2003.12.10より)

シースルー直角エレベーター
シースルー直角エレベーター


<トイレ>
改札内1階コンコースに「だれでもトイレ(「折りたたみベッド」あり)」

改札内1階コンコースの「だれでもトイレ」
改札内1階コンコースの「だれでもトイレ」


<駅周辺情報>
改札口前の「京王クラウン街」に「だれでもトイレ(オストメイト対応)」

京王クラウン街の「だれでもトイレ」案内
京王クラウン街の「だれでもトイレ」案内


B京王堀之内

<移動に関して>
地上出入り口→改札口・・・・・・フラット(一部スロープ)
改札口→上下線各ホーム・・・・・エレベーター(11人乗りシースルーエレベーター、東芝製、2003.12.10より)

シースルーエレベーター
シースルーエレベーター


<トイレ>
改札内1階コンコースに「だれでもトイレ(「折りたたみベッド」あり)」

改札内1階コンコースの「だれでもトイレ」
改札内1階コンコースの「だれでもトイレ」


<駅周辺情報>
改札口を出て右手にあるスーパーマーケット「SANWA」の1階奥に「だれでもトイレ」(ただし鍵がない)。


C幡ヶ谷 
※京王グループのホームページと駅への電話で確認

<移動に関して>
地上出入り口→改札口→上下線各ホーム・・・すべて階段のため駅員が「おみこし」。

<トイレ>
一般のトイレのみ

<その他>
常駐する駅員が少ないため、事前の連絡がほしいとのこと。エレベーターの設置時期については要確認。


D府中 
※2003年度の補助金対象外

<移動に関して>
地上出入り口→改札口・・・・・エレベーター
改札口→上下線各ホーム・・・・エレベーター(11人乗りシースルーエレベーター、東芝製、2003.12.10より)
今までホームへは、改札の外にあって駅員の操作が必要なエレベーターでしか行けなかったため、そのつど駅員を呼ばなければならなかった。この「改札内」のだれでも使えるオープン型エレベーターの設置によってその必要がなくなった。

シースルーエレベーター
シースルーエレベーター


<トイレ>
改札内に「だれでもトイレ」(「オムツ替えシート」あり)。オープン型エレベーターの設置によってこのトイレも使いやすくなった。

改札内の「だれでもトイレ」
改札内の「だれでもトイレ」



●●
005東京学芸大学美術学科主催「ユニバーサルデザイン展」にポスター展示参加しました。  (2003.11.10記事:沖崎 剛)
2003年11月1〜6日に小金井市にある東京学芸大学のキャンパス、美術棟のアートギャラリーで開催されました。折りしも東京学芸大学の学園祭の真っ最中、当部会のメンバーと初日に行って来ました。

樹木一杯のキャンパスはほんのり紅葉していて、まさに秋。アートギャラリーにたどり着くと、学生と鉄矢助教授が私たちを迎えてくださいました。さすが美術系のプロデュースらしく、会場はすっきりとデザインされたレイアウトで構成されていました。
「ユニバーサル展」会場
「ユニバーサル展」会場


展示は、学生の皆さんが考えるいくつかのユニバーサルデザインのプロジェクトの他、国際福祉機器展で出展された様々な車椅子、だれにでも扱いやすい什器、そして、まち会からはまちのバリアフリー部会の活動を紹介するポスターなど多様で充実した内容でした。例えば、視覚障碍のある人のためのナビゲーションシステム、人にやさしいコインロッカー、新しい点字ブロックの提案、パブリックスペースのダストボックスなど、学生の皆さんのアイデアは商品としての可能性を感じさせるものがありました。


バッテリーを連結した手動式車椅子
バッテリーを連結した手動式車椅子の鉄矢助教授と、電動車椅子の部会メンバーの新井さんが競争。当然、電動車椅子のほうが加速がよくスピードがでる。一方、バッテリーを連結した車椅子は分解、組立てが車椅子に座ったまま出来、コンパクトで軽量車に積むことも簡単である。


ツーリング用車椅子
ツーリング用の車椅子、かなり練習が必要そうであるがツーリングマニアになれそう。(左のポスターはまちのバリアフリー部会が出展したものです)

バスケットボール用の車椅子
バスケットボール用の車椅子。かなり小回りが利くので、家の中で使うのにいいかもしれない。


ステッキ ステッキ
使いやすくデザインされたステッキ。グリップの部分と肘の部分がしっかりとフィットしている。独特の形態をしているので拾うときに便利。グッドデザインである。


使いやすい食器
だれでも使いやすい食器類。熱い飲み物が入っていても持てる中空構造の湯呑茶碗、デザイン的にも美しい握りやすいスプーンや白磁のカップなど。見ているだけでも楽しめる。

ユニバーサルデザインの要件として、平等性、使いやすさなど色々あると思うが、ユニバーサルという言葉をあえて使わなくても、デザインをするということは既にそれらのことを含めた行為であるはずです。とはいえデザインはそうは簡単にはできません。

大切なことは、このようなことについて常日頃から興味を持ったり、色んな人と話し合ったりすることなのではないか、今回の「ユニバーサル展」に参加してそう思いました。

参加を呼び掛けていただきました東京学芸大学の関係者の皆様に感謝申し上げます。



004
調布市コミュニティバスの西路線と東路線のバス停案内表示について〜その後 (2003.09.28記事:新井昭子)
「調布市コミュニティバスは、どのバスも車いすで乗降できるのですから、そのことがいつでもだれにでもわかりやすいように、バス停に車いすマークを掲示してください」と、各バス会社(西路線は京王バス、東路線は小田急バス)へ要望してもらうよう市の交通安全対策課にお願いしました(2003年4月2日)。各路線共すぐに車いすマークや案内の表示をしたという連絡があり(2003年4月25日)見に行くと、文字の大きさや位置などが少しわかりにくかったので、「もう少しわかりやすいものを」と写真を添えて再度お願いしました(2003年5月7日)。
〜まちバリあれこれ002のコーナー参照
2003年7月17日(木)西部児童館で行われた「ミニバス西路線懇談会」までに何も返事がなかったので、「コミュニティバスのニックネームを市民に公募して決める予定はないのか」「新たな車両を導入するときには、どんな車両がいいのか、利用者である市民の声が反映させることができるような場を設けてほしい」という質問や要望といっしょに、バス停の車いすマークについてもその場で再々度のお願いをしました。
 それでも返事をいただけないままなので、改めて交通安全対策課へ行き、課長に申し入れをしました(2003年8月13日)。
 更にその翌日(2003年8月14日)、障害をもつ私たちの「誰もが使える交通機関を求める全国行動東京実行委員会」と「東京バス協会・民営バス事業者・東京都交通局」との交通交渉の場で、調布市コミュニティバスを運行する各バス会社に、「まちバリあれこれ」・「002」に書いたような要望をしました。「東路線」小田急バスへは、運賃の割引のように思われる<運賃>のところに掲示してある車いすマークを<行先>に掲示してほしい、「西路線」京王バスは、現在小さな文字で<調布市ミニバス路線は、ステップリフトつき車両での運行の為、車椅子でもご利用いただけます>と表記してあるのですが、誰でもいつでもわかりやすい車いすマークを<行先>に掲示してほしいことを要望しました。また、参加していた各バス会社へ、これからはいつでも誰でもが乗降できるノンステップバスの導入が多くなる中、バス停にも車いすマークの掲示が必要になると思いますので、バス停のどこに車いすマークを掲示するのがいいのか、バス停のデザインから考えていただければと要望として出しました。
小田急バスは、交渉前日の昨日、調布市・交通安全対策課から連絡をもらい、昨日のうちに早速直してきたとのこと、京王バスは、意見を会社へ持ち帰り、車いすマークの掲示場所などの検討をしていきたいとのことでした。
2003年8月20日(水)交渉時の両各バス会社が実際どのように対応したのかの確認へ。「東路線」小田急バスは、車いすマークの提示場所が<運賃>のところから<行先>へ移っていました。その<行先>のどこに掲示されるのが見やすいのか、車いす目線の位置がいいのか、など、当事者である車いす利用の私たちも、多くの仲間の意見を聞いて検討しなければならないと改めて思いました。「西路線」は、<行先>のところではなく<時刻表>のところに車いすマークが掲示されていました。<時刻表>のところに車いすマークを貼るスペースがあったからなのか、車いす目線の位置だからなのか、どちらにしてもどこに車いすマークがあるのがいいのか検討課題です。
また、2003年9月6日(土)西部公民館へ行った際、帰りに「飛田給小学校入口」バス停に車いすマークがあるのを見つけました。4月はじめに、交通安全対策課から各バス会社から車いすマークや案内の表示をしたという連絡があったときには、各社共に始発着のバス停だけということだったこともあり、今まで始発着以外のバス停は見ていなかったのです。掲示されていたのは「飛田給駅北口」と同じように「時刻表」のところでしたが、この「飛田給小学校入口」に掲示されていたということは全部のバス停に掲示されているようなので、その成果に驚きました。そして、うれしかったです!
飛田給小学校入り口のバス停車いすマーク表示 飛田給小学校入り口のバス停車いすマーク表示
西路線バス 飛田給小学校入り口 バス停留所の車いすマーク
4月はじめに取り組み出した「調布市コミュニティバスの西路線と東路線のバス停に車いすマークの掲示を!」、約5か月間で一つのカタチになりました。車いすマークをバス停のどこに掲示するのがいいのか、新たな問題を残していますが、それも成果の課題として取り組んでいきたいと考えています。そして、まず早急に取り組まなければならないことは、各路線共に、各バス停に車いすマークが掲示してあるのか、どうかという確認です。なければ掲示依頼をしなくては!
それにしても、「調布市コミュニティバスは、どのバスも車いすで乗降できるのですから、そのことがいつでもだれにでもわかりやすいように、バス停に車いすマークを掲示してください」という経費も当面は車いすマークのステッカー代程度のお願いに対して、どうしてこんなに時間や苦心、労力といったことが必要なのでしょうか。

003

003調布市役所の車いすトイレ表示のこと (2003.05.19記事:新井昭子)

調布市教育委員会では、現在、市の社会教育計画を策定するために、社会教育委員の会議で起草委員会を設置しています。私はその委員会で昨年度と今年度にかけて、市民の立場で社会教育計画策定の公募委員として参加しています。

委員会はテーマ別に次の3部会に分かれています。

@    第一部会/家庭教育・青少年と社会教育
A    第二部会/高齢者・障がい者・外国人と社会教育
B    第三部会/社会教育施設・事業・市民参加と社会教育。


委員会では平成15年度末に「調布市社会教育計画中間報告書」を作成予定で、私は第二部会「高齢者・障がい者・外国人と社会教育」に参加、車いす使用者という当事者の立場からも「障がい者と社会教育」の中間報告に関わりました。

その第二部会で、「公的な場所・施設の整備、バリアフリー化」について、「車いす使用の障がい者が会議に参加するために市役所へ」という事情例を挙げて次のような意見を出しました。
【私はある会議に参加することになり、調布市役所に行きました。トイレに寄ってからと思い捜すと、入口階には車いすトイレはありませんでした。案内板を見ても車いす表示はありません。入口の案内の人に聞くのは、嫌です。車いすトイレは、何階にございます、と大声で言われたり、どこにあるのかわからなくて他の人に聞いたり、大事になった経験をたくさんしていることが、そんな気持ちにさせているようです。トイレぐらいは、自分の行きたいときに行きたいものです】

さて、今年度4月2日(水)に調布市役所へ行く機会があり、『そういえば……』と中間報告に書いた内容を思い出した私は、受付で役所内の施設に関する改善や要望はどこへかを尋ね、「管財課」へ。
「市役所の入口階・2階案内板のところに、車いすマークのあるトイレ表示がないので困っています」と話しました。市役所に用事があり、車いすトイレを利用するときはもちろんですが、車いすトイレは、まだまだどこにでもあるとはいえないもので(駅やデパート、飲食店など)、その点一般にどこの役所にもあり、車いすトイレを利用するために来る人もいるので、いつ・だれが・どのようなときに来ても案内板を見れば車いすトイレがどこにあるかひと目でわかるように、車いすマークを付けていただきたいのですとお願いしました。入口階の案内板だけでなく、いっしょにエレベーター内の案内板と車いすトイレのある階のトイレ表示にも車いすマークをお願いしました。
何度か市役所へ出かける度に案内板を見ましたが、車いすマークは付いていませんでしたが、5月1日(木)役所に行く用事があり案内板を見ると、トイレ表示といっしょに車いすマークが付いていました。
一階案内板 一階トイレ前の表示
1階案内板 1階トイレ前案内表示
4階案内板 4階トイレ前の表示
4階案内板 4階トイレ前案内表示

車いす使用者としては、この入口案内板に車いすマークがあるだけで、第一印象として車いすに対して開かれた印象を持ちます。ただ、いっしょにお願いしたエレベーター内の案内板と車いすトイレのある階のトイレ表示には、車いすマークがなかったので、早速その足で管財課へ。
なぜエレベーター内の案内板に車いすマークの付いたトイレ表示が必要か?車いすトイレのある階のトイレ表示にも車いすマークが必要なのか?
エレベーター内の案内板には、一般のみなさんもそうすることがあるように、どこか用事があるときにエレベーター内の案内板で調べたり確認をとるのと同じ理由です。特に車いすの場合は、どこのトイレにも車いす対応のトイレがある訳ではないことと、上下移動はエレベーターでするので都合がいいこともあります。
車いすトイレのある階のトイレ表示に車いすマークが必要なのかは、車いすトイレは、一般のトイレと別の場所にあることもあり、トイレ表示も別にあることがあるのです。一般のトイレ表示だけになると、車いすトイレはどこなのか、その階を捜すことになってしまうこともあるのです。ということで、車いすトイレのある階のトイレ表示に車いすマークを付けてほしいのです。
管財課で入口階の案内板に車いすマークを付けていただいたお礼を言い、改めてエレベーター内の案内板と車いすトイレのある階のトイレ表示にも車いすマークをお願いしました。今度はどうなったかの返事を連絡いただけるよう併せてお願いをして。
エレベーター内案内表示
エレベーター内案内表示板拡大
エレベーター内案内表示
エレベーター内案内表示板



5月14日(水)返事をいただき、それはエレベーター内と車いすトイレ階のトイレ表示の両方に車いすマークが付いたといううれしい知らせでした。

入口階の案内板もですが、エレベーター内の案内板も狭いスペースの中にキリッとはっきりわかるトイレ表示と車いすマークで、見やすいものです。


私はとてもうれしく、思わず「こんなに早く……、やればできるじゃない!」と、何年間も市役所に行く度に困っていた自分自身に言い聞かせるように、市役所の方にも『よろしくお願いします!』の気持ちを込めて叫んでいました。








002
002調布市コミュニティバスの西路線と東路線のバス停案内表示について (2003.05.07記事:新井昭子)

調布市コミュニティバスの西路線と東路線のバス停時刻表の表示について、市の交通安全対策課に申し入れをしました。

西路線バス停案内表示西路線バス停時刻表について<調布市ミニバス路線は、ステップリフトつき車両での運行の為、車椅子でもご利用いただけます>と表記してありますが、せっかくの表記なのに、小さすぎて目立たず読みにくいのでもう少し読みやすい大きさの文字にして、更に車いすマークがあいれば、車いすでも利用できることが一目瞭然になることを申し入れしました。 
 
東路線バス停案内表示又、試乗体験をした東路線で、バス停時刻表に車いすマークの表示について交通安全対策課にお願いしたところ、確かに表示が貼ってありました。しかし、せっかくの車いすマークですが、下段の<運賃>のところに貼ってあり、運賃の割引のことのように思われるので、車いすでも乗車できることがわかりやすい<行先>のところに貼ってほしいことを申し入れをしました。
東路線バス停案内表示東路線バス停

車椅子マークが<運賃>のところに表示されている


車椅子マークの位置は<行先>表示の傍に貼ったほうが目立つ











001

001●まちバリ部会のメンバー新井昭子さんが韓国KBSテレビの番組出演!
(2003.04.30記事:東 直史)

韓国KBSテレビの番組「朝を開く世の中」月曜日〜土曜日・生放送(AM06:00〜08:30)の『今は公共交通時代』というテーマのコーナーに新井昭子さんが出演しました。

現在、韓国では公共交通機関でのバリアフリー化があまり進んでいません。そのため、障害者の方々の活動を狭くしているのではないかと問題になっています。そこで、日本の公共交通機関でのバリアフリーの現状を韓国に紹介し、バリアフリー化を促すと共に、効率的にかつ安全に公共交通機関を利用できるまちづくりをめざすために、この番組が企画されたとのことです。


京王線飛田給駅前で撮影取材中



東京都庁展望台で撮影取材中


000

000●2000年度調布市障碍者計画策定委員会への提言 (2003.04.01記事:沖崎 剛)
私が公募委員として係わった2000年度調布市障碍者計画策定委員会に提言しました。1998年に市民と行政が協働で原案をつくった調布市都市計画マスタープランに掲げられた理念を実現するべく、まちのバリアフリー、ユニバーサルデザインという視点から提言しました。


調布市障碍者計画策定委員会への提言pdf.

調布市都市計画マスタープランpdf.

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